熱帯魚図鑑

カテゴリ名/フグ

 

 

フグは漢字で書くと河豚か鰒になる。他にもいくつかあるが全部紹介してもしょうがないので二つだけを紹介。

 

鰒はぷっくりと膨んだり縮んだりする腹の様子からこの字がある。反復の復に魚編をあてがったような意味となる。

 

さて、もう一つの表記「河豚」が気にかかった人もいるだろう。

日本に淡水にすむフグはいないが、世界では淡水にすむフグというのは普通にいる。

・南米淡水フグ ・メコンフグ ・アフリカのテトラオドン・リネアートゥス(旧テトラオドン・ファハカ)・オーストラリアにはタキフグやシッポウフグがいる。ざっと思いつくだけで、四大陸には淡水にすむフグが存在する。

 

淡水にフグがいるというのは割りと当たり前なことだ。しかし、輸入されてくる種はそこまで多くない。東南アジアにはまだまだ未知のフグがいる。

 

フグは種類もさまざまで、マンボウはクサビフグの仲間になる。

この仲間は水族館でも飼育が難航しているので書く必要などないかな?

要望あれば、水族館での飼育レポートを要約したものをさらに要約ぐらいはしようなかな。

 

大きさもさまざまで、最大種は沖縄からフィリピン辺りに分布するセンニンフグの1,5m。最小種はアベニーパッファーの1,5cmと100倍の開きがある。

 

全般的な飼育場の注意としては比較的白点病にかかりやすい。

鱗を針に進化させたため、皮膚の上に鱗がない分寄生虫が付きやすく、傷にも弱い。

よって扱いはできるだけ水温に合わせて冷やした素手で行うべきだ。

 

また、全般的に肉食魚なので、餌にはクリルや赤虫、アサリを使うが、これだけではそのうち痩せてきてしまう。単食は禁物で、できれば人工餌に餌付けてしまう。

アベニーパファーが特にその点難しい。

 

また、時折からつきのアサリなどの硬い餌を食べさせないと、歯が伸びてきてしまう。伸びすぎた場合はニッパーなどできってやればいいが、大型の個体はまだしも、小型の個体では不可能だ。

 

混泳は難しい種もいる。なにぶん肉食で歯が鋭いので、とにかくほかの魚のひれを齧る。あまり時間をかけずに餌を与えたいというときには、金魚を入れておくと鰭をかじらせる。ある程度金魚がぼろぼろになったら、次の金魚を入れて最初の金魚を回復させてやる。これを繰り返すという方法もあるにはある。

 

ミドリフグならアーチャーフィッシュや汽水に棲む淡水カサゴなどが組み合わせるのにちょうどいい。また、絶望的に難しいのはエビで、これは餌を積極的に与えているようなものだ。

 

 

 

汽水域にすむフグも淡水魚として扱われる。そこでこの頁では、汽水フグと純淡水フグを扱う。

 

 テトラオドン・リネアートゥス

 

 

リネアートゥスはかつてファハカと呼ばれた。タイピングしやすいのでここでは旧名のファハカを使わせてもらう。

 

テトラオドン・ファハカはナイル川流域や西アフリカの熱帯域に分布する大型の淡水フグ。5cmほどの幼魚がよく輸入される。成魚はからし色に明るい赤茶色の帯が入りなかなか綺麗だ。

 

最大で45cmほどになるので飼育には最低90×45×45cmほどの水槽が必要。水質の悪化に弱いので、ある程度の水量の確保が必要なので、これ以下で成魚を飼うのは話しにならない。

 

水質の悪化に弱い上に肉食魚なので水をよく汚す、そこでエアーレーションを補助的につけ、ろ過能力の高いフィルターを使う。砂を掘り返すので底面式は不可。上部式フィルターがよい。また、必ずエアーチューブも予備を用意しておく。時折食いちぎることがあるので。

 

餌は冷凍アサリ・クリル・人工餌・小魚を与える。

白点病に弱く、生餌を使うことから病気の持込が怖いこともあるので28度程度の温度で飼うとよい。

 

同じアフリカにより大型になるテトラオドン・ムブがいる。ファハカよりも若干ほっそりとしていて、腹が薄い黄色で背が深緑色に近い褐色で黄色い網目模様がはいるかなり綺麗なフグ。

60cmほどに成長するので水槽を120×45×45cm以上にすればファハかとほぼ同じ方法で飼える。こちらはより大型化するので指をかまれない長に注意しないと、最悪指を持っていかれかねない。

 

テトラオドンミルウス

 

テトラオドンミルウスはアフリカ西部のコンゴ川水系に分布する。

ナイル川には分布していないのだが、なぜかナイルフグとも呼ばれる。意味不明だ。

 

15cm程度に成長する比較的小型のフグで、色のバリエーションが豊富すぎる。

赤・茶・ベージュ・灰色・白っぽいものなどかなりの個体差がある。特に赤や赤茶色の人気が高く従って高価になる。

 

45cmの規格水槽で単独飼育を勧める。ムブのように指を食いちぎられる心配がないからせっかくだから馴らしたほうが良かろうという意味で。

 

水質は弱酸性から中性を保つ。水温は26度前後。

 

餌はクリル・冷凍アサリ・魚肉・アカムシで餌付けて、徐々に肉食魚用の人工餌に慣らす。

 

環境として水質水温に次いで何より大事な、細かい砂を敷いておくことだ。

砂利ではない、砂だ。

 

ある程度はもぐれるような深さを敷く。

 

潜らせないとなかなか環境に馴染まない。

 

よって、濾過装置には一工夫いる。

 

先ず普通の底面式が使えない。

しかしなにを恐れることがあろうか、パイプフィルターを逆洗式にしてしまえばいいのだ。

ただし、パワーヘッドは使わない。砂の中で強い水流が起きれば落ち着いていられなくなる。

 

上部式ならストレーナーを高い位置に設置する。こうしないとインペラが砂を噛んで壊れやすくなる。

壊れたら、砂を噛むような思いをするので気をつける。

 

背面濾過ネーターは底面と連結せず単独で使えば問題ないはず。

 

と、このようにあのように考えなければならない。

そういえば、アフリカのフグって砂に潜る種類が多いな。

 

 

 

 

 

 

アベニーパッファー 

世界最小のフグ。その大きさは成長しても1,5cmほど。比較的体質は弱くなく、純淡水に生息しているだけにフグの中では飼いやすい。

ろ過装置には上部式や外部式のような強い水流を起こすものは避ける。

もし使う場合は水流を殺すように何がしかの工夫が必要だ。

 

ただし餌に問題がある。一番よいのはイトメ・冷凍の赤虫・ブラインシュリンプを併用することだが、場合によっては、冷凍庫を占領できない、イトメが売っていない、ブラインシュリンプを湧かすのが頗る面倒と見るからにやる気がなくなる。その場合には乾燥させたイトメやアカムシを使う。

 

乾燥餌は消化不良を起こすことが間々あるので、よく水に浸してから使う。

関が原の戦いのときに雨が降り火を使えなくなった。そこで徳川家康が兵糧米を必ず水に漬けて食べるように下知したのと全く同じことだ。

人間に置き換えて腹を壊すような食べ方をわざわざさせることはない。

 

混泳は意外と難しい。基本的には同種のみで飼ってやるほうがよい。

うっかりこれを食べたポリプテルスが突然死したという例があるので有毒種と思われる。

 

繁殖例がある数少ないフグ。

ウィローモスをよく繁茂させて、植木鉢のかけらのようなものを沈めて、底面式やスポンジフィルターを使う。もし繁殖が成功しても、上部式などでは稚魚が吸い込まれてしまう。

よく太った親を5.6匹入れておけば産卵していたということがしばしばあるらしい。

 

稚魚はその食性と大きさからブラインシュリンプを与えればいい。

このときばかりはめんどくさがらないで!!

 

 

 ミドリフグ 

 

フグの中で最もよく売られているのがミドリフグだ。

一部ゲームセンターの景品とされている。まあまともに飼われることはないだろうから、景品に回されたが最後。99%ぐらいは死んでるんじゃない?

東南アジアのベトナム・カンボジア・タイ・インドネシアあたりの沿海部で見られる。日本のあちこちの海でクサフグを見かけるような感覚だろう。

大きさは普通飼育下では7cm程度ぐらいにしかならないが、大きいものは15cmほどになる。この大きさまでクサフグと似ている。

この絵図では、ミドリフグは発色が悪いと黄色っぽく見えるし、上から見るとかなり綺麗な黄緑色に見えるので間を取ってみた。

なぜかフグの仲間は瞳が青色になるものが多い

。 

よく似た種類で、吻端が黒くなる種もいるが飼育方法は基本的に同じ。こちらの種はめったにはいらない。

またマミズフグと呼ばれる種類も似ていて、飼育方法は同じ。

 

淡水魚としてゲームの景品にされるが、本来は汽水魚ですらなく海水魚だ。

そこで、汽水魚は海水の四分の一程度の濃度から半分くらいの濃度で飼うように言われるが、半分から海水で飼うほうがいい。

 

しかし店によっては汽水にすらしてないことがあるし、塩気があったとしても濃度はマチマチなので、導入のときはゆっくりと水合わせをする。

 

基本的に汽水魚は環境が塩の満ち干一つでころころと変わる場所に住むのでゆっくりとした変化には強いものの、淡水で飼われていたものをいきなり半海水に入れてはさすがに弱る。

 

汽水の作り方は「基本的な飼い方」に載せてある。

 

餌は冷凍したアサリを開いたもの・冷凍赤虫・肉食魚用の人工飼料などを与える。先にも書いたが、単食は厳禁。

アサリは、海水にすむことから、ミドリフグを飼育する水と水質が近い。よって、いくら食用でもどんな病原菌を持ち込むかわかったものではないので必ず冷凍してから与える。

 

 

ミドリフグに関しては、成長とともに海水に近い濃度にするが、ハチノジフグは海水にまですると、弱ってしまう。

今のところ海水にまで濃度を上げるべきなのはミドリフグくらいだ。

そのほかのマミズフグなどは未確認。むしろ情報が欲しいくらい。

 

 

この絵図はミドリフグにはよく似た別種のものだ。

吻部が黒くなるというだけの違いで特に飼育する上ではミドリフグと変わらない。あまり輸入されず、ミドリフグとして輸入されるため、区別されてない。

 

ハチノジフグ

ハチノジフグは背部の金色の模様が「8」の字に似ていることからこう呼ばれる。
が、意外と「8の字」になった個体は少ない。

10cm程度に成長し分布域もミドリフグと重複する。

 

飼育方法はミドリフグに準じるが、大きくしても海水にはしないで汽水で維持する。
よく言えば、ずっと汽水で飼え、悪く言えば海水には適応できない。

過去に、性質のよく似たミドリフグが海に出るのなら、同じように海水にも適応できるのかと思い、じっくりと慣らしてみたが失敗した。

どうもハチノジフグの対塩性はグッピー以下のようだ。

汽水の濃度には気をつける。

 

 

インドトパーズパファー

 

インドやスリランカの沿岸に分布する。

ミドリフグによく似た種でインドトパーズパファーというフグもよく輸入される。

 

マミズフグとも呼ばれるが、その名前に反して淡水での長期飼育は出来ない。

なんなんだこのネーミングは?

 

この種はミドリフグより大型になり、20cmほどにまで成長しその速度はミドリフグよりずっと早い。

飼育はミドリフグに準じる。

 

 

メガネフグ

 

中国南方の汽水域に分布するフグで20cm程度に成長する。

この種の淡水適応力は高く、海岸から1000km上流の河川にも見られる。

 

しかし、基本的には汽水で飼育したほうが良いようである。

 

性質はかなり荒く、混泳は避けたほうが無難。

 

あまり勧められないが、漢方の材料だけあって滅多に輸入されないレア種。

 

高水温には弱いので、夏場は最低でも冷却ファン、予算があればクーラーを使って25度前後をどうにか保つ。

鱗がないため、フグの皮膚は弱い。そこへ持ってきて高水温がダメとなると白点病などを出しやすいので、病気には特に気をつける。

 

 

 

 

 

 

ブロンズパファーブロンズパファーはゴールデンパファーとも呼ばれ、東南アジアのほぼ全域に分布し10cm程度にまで成長する。
もともとある程度は体高があり、変った印象のフグだが、成長するに従い体高が出てくる。「マンボウみたい」なんていわれることも屡。

 

もっと特徴的なのは名前にもあるように、緑がかった金色の体色だ。結構きれいだ。

この体色から汽水魚として扱われることもあるが淡水魚である。よって、輸送直後など傷のあるとき病気のときをのぞいて塩分の添加は不要。

 

飼育方法は40cm以上の水槽にすること以外は概ねアベニーパファーに準じる。
なかなかかわいらしいが、性質は少々荒く複数飼育すれば多少の齧りあいは起きる。