熱帯魚図鑑

海水魚

 

 

海水魚の飼育は淡水魚と基本的には変わらない。

極端な話、海水か淡水かの違いだけだ。

ただ、淡水魚を飼うのとはだいぶ勝手が変わってくる。

 

基本的なことは全て「基本的な飼育海水編」に載せてあるのでそちらを参照されたし。

 

たとえば飼育密度だ、当たり前だが、海は淡水とは比較にならないほど水が多い。このため溶存酸素濃度・温度・水質もそうは変化しない。こういったものの変化に弱い。

 

とくに金魚のように酸欠になったからといって鼻上げをしてしのぐことすら知らない生き物もいる。当たり前だ、大海原全体が酸欠になるような環境など、淡水に進出したことがない種類であれば何億年も前からやったことがないのだ。わかるわけがない。

 

どんなに大きな水槽を用意したところで、海水魚にとっては水量が多いわけではない。よって、温度変化などが起きやすい、すなわち体力を無駄に消耗しやすく白点病にかかりやすいということでもある。

海水魚の飼育でかかる病気の80%以上が白点病とも言われている。

だからこそ、海水魚を飼育するときに殺菌灯を勧めるのだ。

 

はっきり言って、特別低温で飼う必要があるとかそういった海水魚を飼うとか言うのでもなければ、殆どの器具は淡水方の劉用品で事足りる。電気系統で淡水専用と書かれているものに関してはそれに従うべきだが。

 

また、基本的な飼育方法でも書いたが、海水というのはなかなか環境が安定しないのに、アンモニアは有害化しやすい傾向がある。水槽の立ち上げ、水作りには充分な時間を置く。

 

準備には金より時間をかけて欲しいくらいだ。

こういった淡水魚を飼育するときとの根本的な違いを覚えておけば、海水だからといって、特別気負う必要はまずない。

 

大体、中学生のときにクサフグを無加温の36cm水槽で3匹も詰め込んで、水作エイトS一個だけで、年一度の水替えで4年間も飼っていたのだ。初めは飼育しやすい種類を選んで、それにあった装置を選べば決して難しいわけではない。

 

 

 

スズメダイの仲間

 

 

 

スズメダイの仲間はどれも小型で丈夫で飼いやすい。

厄介なのはガリバルディぐらいだ。ガリバルディといってもイタリア産で赤いシャツを着ているわけではない。この種は低温を好むためクーラーが必須になる。

真夏でどんなに水温が上がっても25度程度を維持するようだ。

 

そのほかの種類は海水魚を変えるようにセットされた水槽であればまず問題なく飼育できる。いくら丈夫だからといっても、32度を越えるような日が何日も続くのは問題だ。そのうちに弱るだろう。

 

餌付けも難しいことはなく、誰でも変える生き物だが、多くの種は気性が荒く、海中映像で見るような群泳をさせるには、かなりの飼育密度が必要で、このために管理が厄介になって話しにならない。

また、他の魚を攻撃するようなこともあるので気をつける。

 

この中で比較的おとなしいものはクラカオスズメ・ヤマブキスズメ・デバスズメ・バリアリーフクロミスで、この三種はあまり争わない。

 

デバスズメは飼育が容易といわれているが、意外とポツリポツリと死ぬことがあるので、似たような色彩のクラカオスズメを推奨する。

 

スズメダイに近い魚にクマノミがいる。

クマノミは必ずイソギンチャクと共生させるような生き物でもない。むしろイソギンチャクのほうが難しいので、クマノミだけで飼うほうが楽でいい。はじめはクマノミだけで飼うことを勧める。

 

飼育は海水魚の中では難しくない。海水魚の中では数少ない養殖個体が出回る種類というくらいだ。

 

この仲間はウーディニウム病を持ち込むことがあるので、新しく飼ってきたときは必ずトリートメントタンクで様子を見る。アクリノールなどで殺菌してから水槽に入れるくらいの配慮は欲しいところだ。

 

 

 チョウチョウウオの仲間

 

 

 

ここに挙げた絵はスミツキトノサマダイだが、通常チョウチョウウオの仲間は目に黒い帯が縦断し、体の後ろのほうに黒く丸い模様がある。これは外敵から身を守るためのものだ。魚類はモルミルスなどを除いてバックでは泳げない。そこで、目のある方向へ進んでいくのが普通だ。捕食者もそれを心得ているので、進行方向を妨げようと狙ってくるが、この模様のおかげで正確な目の位置がわからないので、尻尾を狙ってきたところを頭から前進して逃げるという具合だ。

それを考えると、この目玉模様のないオウギチョウチョウウオは少し変わっている。

 

 

チョウチョウウオの仲間はサンゴ礁に棲む熱帯性海水魚で、多くの種類がいて、数も多く飼われているので、簡単に飼える・・・と思いたいところだが、意外と難しいところがある。

 

まず白点病に罹りやすい。今までスズメダイなどを長いこと飼っている安定した水槽だから大丈夫・・・と思っていれても、よくかかる。

殺菌灯はほぼ必須といえる。

また、硫酸銅によってショック死することも割合多いため、治療にはマラカイトグリーンを使うほうがいい。

 

次に厄介なのが餌付けだ。シチセン・フエヤッコ・カスミ・アケボノ・ハタタテダイ・フエヤッコ・ブルーストライプバタフライなどすぐに人工の餌に餌付くものもいる。

しかし珊瑚のポリプを食べるものは大抵厄介だ。

ハシナガチョウチョウウオや、セグロ、ミスジ、ミカドあたりなら、から付のアサリに割りとすぐ餌付く。

次いでヤリカタギ・ウミヅキ・トノサマダイ・スミツキトノサマダイなどは餌付けが難しい。

 

 

 

 

 

 

上がハナグロチョウチョウウオ、下がオウギチョウチョウウオ。

この二種類は極限に餌付けが難しく、アサリの剥き身に餌付いただけでもラッキーというようなものもいる。この二種は通常小さな個体で3000円程度の値段だが、奇跡的に人工餌に餌付いた個体は50000円以上の値が付くこともある。餌付けられずに何十匹も餓死させてしまうくらいならこれは決して高い買い物ではない。       

 

チョウチョウウオの餌付けではまず食べない種類だろうと思われるものを除いてとりあえず嗜好性の高い人口餌を与えてみる。これでだめなときに一番よく使われるのがアサリだ。そのままやるとどんな菌を持ち込むかわかったものではないから、必ず一度冷凍する。

西洋ではムール貝をアサリの代わりに使うが、嗜好性はアサリに劣るという。そういった意味では日本はチョウチョウウオを飼育しやすい環境といえるだろう。

 

殻つきのまま冷凍して、解凍したときに口を開いて与えれば、大抵の種は餌付く。これでダメなときは、一日空けてより空腹にしてから、ミンチ状にたたいたアサリを飾り珊瑚に塗りつけて冷凍したものを与える。このミンチにはエビやオキアミを混ぜてみるのもよい。

これでも食べないときは、残ったものを棄て、さらに翌日繰り返す。

どうしても食べないときはあきらめて餓死を待つか、生きたサンゴを餌にするしかない。チョウチョウウオ自体よりずっと高くつくがしかたがない。

これで回復を待って、環境になじんだところで再びアサリを塗った飾りサンゴを再び試してみると食べる可能性はある。

また、ハナグロやオウギなど特に難しいもので餌付けをするときは同じような食性でもまだ餌付けのしやすいミカド・ウミヅキ・トノサマダイなどを一緒に入れて餌付けをするといい。これらがさきに餌付けば、闘争心が働いて、またアサリを餌と認識して食べる率が上がる。 

ハナグロなどで、もし餌付いた個体がいるなら、次回からの分はその個体と一緒に飼うか、大きさが違う場合は、パンチボードなどで仕切ってアサリを食べているところを見せ付けてやるといい。早く餌として認識してくれる。

 

また、餌付けの難しいチョウチョウウオを餌付けるときは、レフジュームタンクなどで必ず隔離して、落ち着いた環境で餌付けを開始する。

 

さて、から付きアサリを食べるようになったら、今度は人工餌に慣らす。

最初はアサリのミンチに人工餌を少量混ぜる。これをアサリの貝殻につめて一度冷凍して与える。人工餌の比率を徐々に高くしていき、最終的には練った人工餌だけにする。ここまでくれば餌付けは成功したも同然。次第にフレークなりペレットなり市販の状態で食べるようになる。

 

 

フエヤッコダイ

 

 

 ウミヅキチョウチョウウオ

 

 

 

スミツキトノサマダイ

 

 

トゲチョウチョウウオ

 

 

 

写真は海水館さま提供。

この写真はまだ幼魚で、名前の由来となった背びれの伸張した「トゲ」がでていない。よく流通していて、飼育がしやすいといわれている。餌付けが容易で確かに飼育しやすいが、輸送には弱いようで、チョウチョウウオを何種類も発注したのに、トゲチョウだけ弱ってたり死んでたりすることが多いという話を聞いたことがある。この点には注意する。

 

ヤッコの仲間

  

 

ヤッコの仲間は鰓蓋の下のほうに突起があり奴のひげを想起するために日本では通称ヤッコと呼ばれる。キンチャクダイともいう。海外ではエンゼルフィッシュと呼ばれる。

 

大型ヤッコは大抵の種は飼育しやすく、マクロススエンゼルことセダカヤッコは台湾で部リードされたものが出回っている。できれば部リードされた個体を買うほうが飼育しやすいし価格も安い。

 

飼育にはどれも90cm以上の水槽を用いる。

幼魚のころにあまり広いとなかなかなじまないので、この場合はレフフジュームタンクでしっかりと慣れさせてから、大きな本水槽に入れる。

 

この仲間で飼育の難しいのはイナズマヤッコとブラックバンドエンゼルぐらいで、これらが少々デリケートで餌付けが難しいぐらいなので、こういった個体は他に魚を入れない静かな環境で飼育を始める。

また、ブラックバンド、グリフィスなど、日本の高水温に弱い種もいる。

これらはクーラー必須となる。

 

また、リンフォシスティスに感染していたり、鰓に平虫が寄生していることが多いので、導入の際には必ず淡水浴をさせる。

 

 

小型エンゼルはかなり多くの種類が入ってくる。

この中では、フレームエンゼル・レモンピールなどがアメリカで養殖されている。

ただしこれらの養殖個体は産地が産地なので孵って高くつくうえになかなか輸入されない。

 

レモンピール・フレームエンゼル・マルチカラーピグミーエンゼル・ルリヤッコ・アカハラヤッコ・アブラヤッコ・タテジマヤッコ・ヤイトヤッコ・チリメンヤッコあたりが飼いやすい部類だ。

 

ゴールドフレークエンゼル・ソメワケヤッコ・シマヤッコ・ヘラルドコガネヤッコ・ニシキヤッコあたりが比較的難しい。

 

特にヘラルドコガネやソメワケは安価で多く流通しているので対購入してしまいがちだが、少々難しいことをよく考えて欲しい。ヘラルドコガネは二倍ぐらいの価格でレモンピールが手に入るし、何も難しい種にこだわり長ない限り避けたほうが無難だ。

 

この難しいグループは、冷凍のブラインシュリンプや、アサリの剥き身などで餌付ける。また、静かな環境で飼育しないとまず餌付けは成功しない。

 

シマヤッコなどはその好例だ。

 

白点病の治療に当たって、硫酸銅によるショック死することが間々あるので、投薬の際はゆっくりと濃度をあげることを忘れないように。 

 

クイーンエンゼルの若い個体

 

 

 

 

 フレームエンゼル

 

 

 

 

 

 

 フグ・カワハギの仲間

 

 

この絵はモンガラカワハギ。標準的な個体だが、小学生のときに目の前にある黄色い帯が背中の黄色い模様までつながっている個体をたまたま飼ったことがある。かなり大きくなってからも模様が変わらなかったので、かなり珍しいパターンだったのかもしれない。

 

モンガラカワハギの仲間は英語でトリガーフィッシュという。腹鰭背鰭が変形して、突起状になり、これを使って岩場に身を隠して捕食者に引きずり出されないように踏ん張ったりするときや、寝ている間に海流で流されないように体を固定するのに使う。この形が引き金のようなのでトリガーフィッシュという。

せっかくなので、突起を張り出した様子を描いてみた。

 

 

フグやカワハギの仲間は殆どが飼育しやすい。

ごく一部の、オーストラリアあたりから輸入されるジョーズカウフィッシュ、ホワイトバードボックスフィッシュなどは25度を越えないようにする必要があるのでクーラーは必須となる。

 

ヒトヅラハリセンボンのように50cmを越えるものもいるので、水槽のサイズには気をつける。

 

食性は肉食で、クリル・アサリ・肉食魚用の人工餌に餌付く。

 

一般に流通するもので唯一厄介なのはテングカワハギで、これには冷凍のブラインシュリンプや孵化させた幼生を与える。

食性がゆっくりとプランクトンをついばむものなので、混泳はやめたほうがいい。どうしてもというなら、マンダリンなどがいいだろう。

同じように小さな生き物を食べる魚だが、こちらはベントス食性で、水底のものを食べるため、餌の取り合いにはならないからだ。

 

また、混泳は他の魚がかじられないように気をつける。特に小型魚は餌になるだけだ。

サンゴや無脊椎動物の多くも餌になる。

 

ハコフグやキンチャクフグの仲間は死ぬと毒素を水槽にばら撒いてしまうので、すぐに死体を取り除く必要がある。このため常に活性炭を入れておくのもよい。ただし薬品を使うときに抜くのを忘れないように。

 

 

一般的によく入荷するフグは

クサフグ

 

 

 

 

 

 

ハリセンボン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オキナワフグ

 

 

 

 

 

 

 

スジモヨウフグ

 

 

 

 

 

 

 

 

サザナミフグ

 

 

 

 

 

 

 

ヨゴレフグ

 

 

ハリセンボン

 

コクテンフグ

 

シマキンチャクフグ

 

ヒメキンチャクフグ

 

モンガラカワハギ

 

 

ムラサメモンガラカワハギ

 

 

 

 

 

 

タスキモンガラ

 

 

 

クラカケモンガラカワハギ

 

ピカソトリガーフィッシュ

 

 

 

ムラサメモンガラ・タスキモンガラ・クラカケモンガラと三種のよく似たカワハギを紹介したがこれもそっくり。

模様が少ないだけに一番地味に見えるかな?

紅海に分布している。よって高価で輸入量も少ない。西洋ではよく飼われているようで、洋書のカワハギの飼育方法を書いたページでは大抵ピカソトリガーが出てくる。

 

クマドリモンガラ

 

テングカワハギ

 

ヌリワケカワハギ

 

 

 

 

 

 

 

 

ニシキカワハギ

 

ミナミハコフグ

 

 

これは幼魚の絵図。成魚の姿はそのうちに。

 

 

コンゴウフグ

 

 

 

 

 

 

 

などがいる。

 

珍しいところでヒトヅラハリセンボンやトラフグ、マフグ、イソモンガラなどが入る。

 

個人的にはセンニンフグを生きている間に飼ってみたいが市場に出ているのを見たことすらない。

 

 

 

 サメ・エイの仲間

 

 

 

サメとエイは見た目は全く異なるが非常に近い魚だ。

形が違うだけといってもいいくらいだ。

サメやエイはいくつかの問題を除けば比較的飼いやすい。ただし水槽の大きさの問題を克服しなくてはならない。サメではよく出回るものにネコザメ・イヌザメがいる。エイではアカエイに近いリーフスティングレーと時折シビレエイやアカエイが出回る。

マンタを探すのは・・・いや、海獣を扱える問屋だからないことはないだろう。

 

ここに挙げたものはイヌザメネコザメはあまり動き回らないので120cm水槽で程度でもかなり長いこと飼育できる。これを最終的な水槽のサイズとみなしてもいいだろう。

 

エイの場合は、最低でも体盤長より長くないとお話しにならない。

奥行きは自動的に60cm以上になる。

 

水温は25度前後。ネコザメの仲間で特にオーストラリアから輸入されるものは高水温に弱い。よってこれらはクーラー必須。

 

飼育に当たって、水質は硝酸塩を低めに抑える程度で問題なかろう。

餌の問題で気づいたら300mg/lだの500mg/lだの測定不能だとか言う状況に陥ることもある。

 

餌には、イカの切り身、魚肉、殻付の貝類などを与える。

餌付けは難しくないが、海水のサメやエイの飼育でなにが厄介かといえば、これら非常に水を汚しやすい餌を使わなければならないことだ。還元BOXや還元海苔巻きの使用を強く推奨する。さもないとちょくちょく換水する羽目になり、人工海水代が馬鹿にならない。

さらに厄介なのが、これだけ水を汚す餌を使う上に餌切れに弱く、痩せたら元に戻しにくいためしっかり食べさせる必要がある。

 

そうそう、わざわざ殻付の貝と書いたのは歯の伸びすぎを防ぐため。伸びすぎた場合はフグ同様取り出してニッパーや鑢を使って切り取ったり整形することになる。ただでさえ尾に毒針を持つエイは危険なのにわざわざこんな手術をする必要が出てき得る環境で飼うことはない。

 

特にエイ毒針には要注意。手術しようと思って刺されたら自分が手術する羽目になることもある。そうでなくとも病院送りは確実。

 

一応対処方法は、刺されたら即座に救急車を呼ぶ。そして、指された場所から少し体幹より場所を縛って、給湯器から60度程度の熱湯を出して漬け込む。やけどしない程度に厚くても我慢する。蛋白質で構成される神経毒なので、こうしておけば熱凝固して毒の周りは悪くなる。救急車が来る頃にはとてつもない激痛が襲ってくるはずだ。まず刺された場所に、エイの皮膚などが残っていないか調べられる。その後怪しければ手術で開いて取り出す。

こればっかりは解毒薬がないので、強肝剤・鎮痛剤・抗生物質を投与されて、晴れや痛みが引くのを収まるのを待つしかない。手はグローブのように赤黒くはれてしまう。悲惨だ。

この対処方法や症状は担ぎこまれた人を見たことがある医師の話し、および体験談をまとめたもの人から聞いたもの。

 

犬だって、噛み付かれたら下手をすれば狂犬病になるし、鳥だってオウム病を持ってくる事がある。生き物を飼う以上、こういった特性を理解して慎重に扱っていれば心配はない。

水槽に手を入れるときは先にエイを出す。あるいはセパレーターで仕切ってから手を入れる。こういった対策を採っていれば問題はおきない。

現にアカエイ・リーフsティングレー・淡水のヒストリクスを飼って一度も刺されたことはない。

 

混泳は比較的簡単だ、食べられてしまうような大きさの魚とか、カワハギのように齧ったりするようなものでなければいい。

ただし混泳するときは、エイやサメが死んだときが厄介だ。彼らは体液を保つのに尿素を使っている。死ぬとアンモニアに変わるので、早く死体を取らないとアンモニアをばら撒くことになる。魚屋やスーパーで売っている賞味期限切れ近くのカスベエイなどは結構アンモニア臭い。

 

海水の濃度は他の魚類のように1,020ppmとかに落とさず、1,025ppmあたりを維持する。

 

エイでは必ず細かい砂を入れてやる。入れておかないと水槽になかなかなじまない。

 

サメやエイは水質の急変にも弱い。しっかりと水合わせを行うこと。

ただし病気には非常に強い。白点病の虫がいかにも漂っていそうな水槽に入れたところで、自力で治癒してしまう。

一部のサメは、いわゆる肝油の働きで癌にかからないというくらいの強健さだ。さすがデボン紀からの生き残り。

 

イヌザメは成長するとこのような姿になる。しかし60cm程度の個体でも幼魚と同じ模様だったのを見たことがある。

飼育下でこのような姿を見られるまでに成長したら、そのほうがめっけものだ。

 

 

 

 

 

 

 

サメやエイは卵生のものと胎生のものがいる。

上の絵図は左がイヌザメの卵、右がネコザメの卵だ。

 

アカエイやホオメジロザメなどは胎生だが、イヌザメ・ネコザメ・珍しいところではカスベエイは卵で売られることがある。

特にイヌザメは卵の殻を細かいサンドペーパーで削って薄くすることで、中の様子を観察しながら成長を観察できる。これは面白いのでぜひやってみてもらいたい。ネコザメの卵はらせん状なので、薄く削るのは至難の業だ。

なお卵の管理は、熱帯性の海水魚を飼うような環境であれば沈めて置けばいい。

時折失敗することもある。

 

生まれたばかりのサメには薄暗い環境で顔の近くに餌を落とすと食べる。

 

 

ところで、さっき書いたかスベエイの鰭がよく売られているが、これを醤油とみりんと唐辛子に一晩漬け込んで干したものはなかなかうまいのでよく作っている。軽くあぶってマヨネーズをつけたら言うことなし。お試しあれ。

 

 

 ハギの仲間

 

 

ハギとはニザダイと呼ばれる魚。ごく稀に近海で取れたニザダイが魚屋に並ぶ。

しかし「魚屋」では割合一般的で、パウダーブルータン・キイロハギ・ゴマハギ。クログチニザダイ・ナンヨウハギ・メガネクロハギ・ナミダクロハギ・ヒレナガハギなどが入る。

 

特に、ファインディングニモでキイロハギとナンヨウハギが出て以来これらの価格は上がったままだ。全く恨めしい映画だよ。

 

このハギの仲間は、英語でサージョンフィッシュという。外科医魚という意味になる。尾柄部にとげがあり、これがよく切れるためこう呼ばれる。

一度飛び出したのを慌てて触ったらきられたことがある。かなり大きなパウダーブルータン相手だったが、10分ぐらい血が流れ続けた。これだけは気をつける。

 

タンというのはドイツ語で苔のことで、ハギの仲間の食性からつけられた。こっちのほうが物騒でなくていい。

 

ハギというのは、皮を剥ぎ取りやすいから。鱗はなくざらっとした感触だ。よって他の魚以上にスレ傷に気をつける。

 

ハギの仲間は飼育は比較的容易なほうではあるが、何点か気をつけることがある。

まずよく動く。その上草食なので餌切れに弱い。

すぐにやせてしまうので注意する。

 

次に厄介なのは皮膚が弱いため、白点病にかかりやすいことだ。殺菌灯をつけえておくのが無難だ。

よって、飼育はじめは28度程度の水温とする。

また、皮膚がなんだかは良くわからないが細菌におかされて斑模様になっていることがある。

これはパウダーブルータンがわかりやすい。

こういった症状が出たら淡水浴をさせてグリーンFゴールドを投与するとよい。

 

混泳はハギ同士ではよく争うので、避ける。

このページの上部の帯にはパウダーブルータンの群れの写真が入っているが、水槽内では、殺し合いになるので真似しないように。

 

 

一方こちらは八景島シーパラダイスで撮影したもの。これだけの数をごっちゃりと入れれば問題はおきない。

ただし、相当の水槽が必要。

 

はぎに近い仲間でアイゴがいる。ヒフキアイゴ・ヒメアイゴなどが一般的だ。飼育はハギ同様あまり難しくはないが、背鰭の刺条には毒があるので気をつける。

 

パウダーブルータン

 

 

キイロハギ

 

 

パープルタン

 

 

 ヒレナガハギ

 

 

ニジハギ

 

 

ハナダイ・ハタの仲間   

 

 

ハナダイの仲間も比較的飼いやすい。いずれも桃色やピンク色の綺麗で小型の種だ。この仲間はオスがメスに性転換する。

この仲間で体高の高いものをハナダイ、体高が低くほっそりとしたものをハナゴイという。

 

この仲間の食性は漂うプランクトンを啄ばむものなので、人工餌に餌付きにくいことがある。もし水流に載せるようにして与えて食べないときには冷凍のブラインシュリンプなどを与えるといい。

 

ベントラリス・ハナゴンベはこの中では厄介なほうなので神経質で餌付けにくい。こういったものを飼うときはレフジュームタンクに隔離して静かな環境で餌付けるといい。

 

キンギョハナダイやフタイロハナゴイは特に飼いやすい。

ただし、ハナゴイの仲間は薬害に弱い傾向にあるようで、投薬には注意する。

ハタ・ハナダイ

ハナダイの仲間も比較的飼いやすい。いずれも桃色やピンク色の綺麗で小型の種だ。この仲間はオスがメスに性転換する。

この仲間で体高の高いものをハナダイ、体高が低くほっそりとしたものをハナゴイという。

 

この仲間の食性は漂うプランクトンを啄ばむものなので、人工餌に餌付きにくいことがある。もし水流に載せるようにして与えて食べないときには冷凍のブラインシュリンプなどを与えるといい。

 

ベントラリス・ハナゴンベはこの中では厄介なほうなので神経質で餌付けにくい。こういったものを飼うときはレフジュームタンクに隔離して静かな環境で餌付けるといい。

 

キンギョハナダイやフタイロハナゴイは特に飼いやすい。

ただし、ハナゴイの仲間は薬害に弱い傾向にあるようで、投薬には注意する。

 

 

メギスという魚もハナダイの項目でよく説明されるのでここに入れた。

最大種で45cmほどになるが、殆どの種は10cmに満たないような小型種で飼育しやすい。

特によく輸入されるのがクレナイニセスズメ・カンムリニセスズメ・バイカラードティーバックだ。勝手に三大ニセスズメと呼んでいる。

姿を良く知られているという点ではロイヤルグラマも一番有名であろう。

殆どの種が浅瀬や態度プールのようなところに棲む。

 

飼育しやすい種が多く、派手な色合いのものも多いのでお勧めだ。

ただし、同種でよく争う。

 

先の三大ニセスズメは近縁種で混泳不可とよく言われるが、ストックするときに各種1匹ずつというような配置をしても特に争う様子は見受けられない。

 

食性は小さな生き物を食べる肉食性だ。意外に歯が鋭く、鰭を齧られた魚はかなりギザギザと千切れる。

 

どの種も比較的容易に人工飼料に餌付く。

 

三大ニセスズメに関しては夏の高温もさほど気を使わなくて良いだろう。無論35度を越え続けるとかそういった状況は良くないが、真夏に屋外のウニの餌の海藻の養殖場で育てて連日32度程度であったが普通に越せて問題ない。

 

メギスはハタに近い魚だけあって身が美味いようだ。クレナイニセスズメなどが死ぬと、あっという間に骨だけにされてしまう。

 

 

ベラ・ブダイの仲間

 

ベラの仲間は派手な種類が非常に多い、近海魚のニシキベラですらこれだ。
では熱帯種はこれ以上に・・・と思うとそうでもない。派手な色にも限度がある。
多くの種は10cmから30cm程度の小型種だが、最大種はメガネモチノウオで、時に2mを越える。


ベラの仲間は夜砂に潜って眠る習性がある。よってパウダーサンゴ砂が必須になってくる。砂に潜るということは、砂の中に止水域ができるのは望ましくない。そこで底面式フィルターと、舞い上がったゴミを吸着するためにもう一つ簡易フィルターを使う方法がいい。

基本的に肉食で、環形動物を漁ったり、小さなアミ・エビなど無脊椎動物を襲う。
餌付けに関しては殆どの種で心配する必要はない。
一般的な人口飼料に割合すぐに餌付く。

ブダイは英語でパロットフィッシュという。オウム魚という意味だ。
太平洋からインド洋に欠けて分布する。
ブダイとはごっつい鱗や体つきが鎧武者のように見えるため武鯛という説や、ひらひらと舞うように泳ぐことから舞鯛と呼ぶという説、不恰好な体なので醜鯛という説などいくつかがある。

鸚鵡といえば鸚鵡之賦を連想し、禰衡先生を連想するのが中国史に精通した文化人というものだ。

オウム魚というだけあって硬い四枚の歯がある。本ではないか?いや、枚と表記したほうがいいような歯だ。ただし、この歯は癒合していて二枚の歯に見える。

この嘴を使って、海藻をむしりとって食べたりする。イメージとしてはプロトケラトプスやプシッタコサウルスのような感じ。また、この歯を使って、サンゴの骨格ごと共肉をむさぼる。骨格までは完全に消化できないので、美しい白い砂浜の一部はブダイの糞でできているわけだ。
そのほかにも、低層にいる無脊椎動物などを食べ、種類によっては冬には海藻を食べるようになるというものもいる雑食の魚だ。
コイのように咽頭歯を持つ、餌を丸のみにして咽で砕いて食べる。

よって餌付けは比較的容易いが、時折殻付きのアサリなど硬いものを食べさせて歯の伸びすぎを防ぐ。伸びすぎた場合は取り出して、鑢・ペンチなどを駆使して切る。


この仲間は夜眠るときに、粘膜で「絵に描いたようなバリアー」を作って寝る。これはブダイ特有の臭いを外敵にかぎつけられないようにするための工夫である。よって食べるときには少々多めの薬味が必要だ。

 

ニシキベラ

ツユベラ

コガネキュウセン
カンムリベラ

オビテンスモドキ
トカラベラ

イエローチークラス

サイケデリックラス

タキベラ
ヒオドシベラ
パープルフェアリーラス

スパニッシュホグフィッシュ

フタホシキツネベラ
キツネベラ

ホンソメワケベラ
ハワイアンクリーナーラス

レッドシークリーナーラス
ニセモチノウオ


オオモンハゲブダイ
レモンブダイ
イロブダイ

 

 

アナゴ・ウツボの類

 

アナゴやウツボは熱帯の種だと意外に色彩の美しいものや可愛らしいものが多くよく飼育される。極めて美しいのは上の絵図に挙げたハナヒゲウツボのオスであろう。メスでも全身が鮮やかな黄色になるのでなかなか綺麗だ。

多くの種で性質が特別荒いというわけではなく、どれも飼育しやすい。
ただし、肉食の生き物である。混泳相手には注意を要する。たとえば、大型のウツボのいる水槽に小型のスズメダイなどを入れてしまえば食べられてしまうことぐらいは容易に想像が付く。常識的に無理だと思う大きさのものとは一緒にしない。

全長は非常に長くなるものが多いが、体が非常に柔らかいので、大きさの割に小型の水槽で飼育できる。

どの種も基本的に夜行性なので、落ち着けるように必ず隠れ場所を用意してやる。たとえば、太目の塩ビ管や岩組みでうまく隠れる場所を作る。
また、チンアナゴなどは必ず厚くパウダーサンゴ砂を敷いて潜れるようにしてやる。

この仲間を飼育する上で最も注意すべきなのは飛び出しだ。とにかくよく隙間を見つけて水槽から脱走する。とにかく蓋の隙間はふさいでおく。ガラスの蓋はチューブやコードを通すため切り欠きがある。ここが盲点になりがちなので、スポンジなどをつめてしっかりと塞ぐ。

餌は、アサリの剥き身・小さなエビなどで餌付ける。
慣れてくればそのうち乾燥餌も食べるようになる。

餌で厄介なのはチンアナゴだ。彼らは砂の中からにょきっと体の前半分ぐらいを出して、水中を漂うプランクトンなどを食べるのが本来の食性である。従って、最初はレイトウノブラインシュリンプなどを水流に流すように与える。
慣れればフレークフードや、粉末に近い大きさの乾燥餌も受け付けるようになる。水底に沈んでしまった餌は積極的に食べないので、オジサンやヤエヤマギンポなどのおとなしく、水底の餌を漁る生き物を入れておくと良い。

うまく餌を取れないこともあるので、少量を日に何度も与えるやり方のほうが良い。


タツノオトシゴ・ヨウジウオの仲間

 

タツノオトシゴは有名な魚だ。オス託卵され、子供を産むように見えること、その後オスが保育する性質などでよく知られる。

この仲間には大きく分けてタツノオトシゴ・ヨウジウオ・シードラゴンの仲間が知られる。
口の辺りの骨の形で分けるのだが、飼育場はあまり変わらない。
シードラゴンはポケモンのシードラとキングドラのモデルになった魚だ。
よく似ている。
リーフィーシードラゴンは、目の周りの模様で個体を識別しあっている。
見分けようとおもってよく観察すれば見分けられないものでもない。

この仲間は、最小種のピグミーシーホースで3cm、オオウミウマで30cmにもなる。リーフィーシードラゴンで触れを含めて40cmなど、殆どのシードラゴンは保護動物なのでまずお目にかかれない。

これらは早く泳いで敵から身を守るということはせず、ひたすら海藻や海草・サンゴに擬態して隠れることで身を守る。よって、動きは非常に鈍い。飼育する上でも強い水流が起きないように工夫しなければならない。

食性も、近づいてきたプランクトンをストローのような口で一気に吸い込むという食べ方をする。よって、活発な魚との混泳は避ける。そうでないと餌を取れなくなる。

せいぜいヤエヤマギンポ・ネズッポの仲間・小型のおとなしいハゼなどの低層に棲むスローイーターにとどめるべきだ。

餌にはブラインシュリンプ・ブラインシュリンプの生体・イサザアミという小型のエビを使う。イサザアミのストックの都合上もう1本水槽を維持する必要がある。ロスを減らしたければ、ピペットで餌を取り口の近くで撒いてやると良い。

もし手に入ればシードラゴンの類はオーストラリアの東側の海岸に生息している。このため、25度を越えないようにクーラーの設置が必須となる。そうそう手に入るわけでもないので、特に大事に扱ってやるべきだ。


ネズッポの仲間

 

ネズッポの仲間はインド洋から西武太平洋に分布し、いずれも300m以内の浅い海の砂地・岩礁に生息し、蠕虫や、小型の甲殻類などを砂から漁る。

蠕とは「うごめく」と読み、需とは柔らかいという意味である。儒教は「柔和な人間」に教化するための教えであり、紙が濡れると柔らかくなる。
では生き物を指す虫に需が付くと・・・蠕になる。体の柔らかく蠕動して動く生き物、あるいは虫ということになる。即ち英語で言うとワームの類になる。ミミズ・ミズミミズやイトミミズに近いようなものがこの類ということになる。

消化器官の動きを指す「蠕動運動」という言葉が蠕を使う用例で一番一般的か?
 

かわいらしい動きをし、大きな鰭を持つ、特によく輸入されるニシキテグリが美しく人気は高い。

しかし、飼育は難しい。何が難しいかというと餌の確保がなかなかできない。
先に書いたような食性のため、沈下製の人工餌に簡単に餌付きそうだが、動かないものには興味を示さず、なかなか餌付かない。

飼育するには、ベルリン方式などライブロックを入れ、長期間たって微生物のよくわいた水槽で一匹とか飼育されることが多い。
これなら自然にわいた生き物を食べさせられるというわけだ。

海水中で生きる蠕虫を確保できないにしても、本来の食性からするとイトメは餌として有力候補かもしれない。たとえばピンセットでネズッポの周りに撒いてやるとかこういった与え方をすれば充分食べるかと思われる。

しかし、全く人工餌を食べないというわけでもなく、たとえばテトラ社のマリンジュエルという練り餌がありこれに餌付いた例もあるので、ここから沈下性の乾燥餌に餌付けることは不可能ではない。

オスは第一背鰭が良く伸びる。この点で判別する。
そして、オスは縄張り意識が非常に強く同種はいじめられてしまうので気をつける。

よく餌付いて太った個体をペアで広く、隠れ場所の多い水槽で飼育していれば繁殖の望みはあるだろう。

繁殖以前に、まずはしっかり飼いこむことから挑戦していただきたい。

 


ヒメジの仲間

 

 

ヒメジは比売知と書く。英語圏ではゴートフィッシュつまり山羊魚と呼ばれる。
時折食用に供される。淡白な白身の魚で、旬は冬だ。
フランス料理では一般的でルージュと呼ばれる。

ヒメジの仲間は観賞魚としてはまりで回らないが、例外的にオジサンが多く流通する。

オジサンはインド洋から中部太平洋に分布する全長10cmほどの小型種である。口に付いたからだの割りに大きな触角からこう呼ばれる。
この触角から察せられるように、海底で餌を漁る。

飼育のコツはこまめに沈下性の餌を与えることだ。

飼育する上ではあまり難しいことはないが、輸送に関して注意がある。ヒメジの仲間は全般的に特にアンモニアの毒性に弱い。輸送するときは、活性炭やゼオライトを数粒入れ、できるだけ速やかに輸送してやる。

これらに気をつければ特別に難しいことはない。

性質はおとなしく、オジサンを食べてしまったり攻撃してしまうような物でもなければ特別機を使うことはない。

また、睡眠中などは体が赤色に変化する。一見皮膚病で赤くただれたかのような色なので早とちりしてはいけない。