熱帯魚図鑑

カラシン

 

 

熱帯魚として飼育されているものを大別すると、カラシン・コイ・アナバス・メダカ・シクリッドなどになる。魚類で四番目に大きなグループ。

硬骨魚類カラシン目Characiformes)は全種が淡水魚で、2亜目182701,674種で構成される。小型で観賞価値の高いものが多くて、東南アジアのコイと似ているところもある。

 

小は数センチ・大は1m以上、食性も草食のメチニス・雑食のコロソマ・動物食のピラニアなどありとあらゆる生態がある。

アジアのコイと同じニッチにいるといえるだろう。

ただしカラシンは、ごく一部を除いて脂鰭があり、ほとんどの種類に顎に歯がある。エクソドンは「せり出した歯」という意味で、ドンというのは歯の意味。これらが多くのコイ目とのすぐに見分けられる違いである。

 

また、テトラという呼び方は、第四番目の鰭という意味から来ているのだが、どこをどう数えるのか?

 

中米・南米・アフリカ・インドの一部以外には生息していないので、食用にも出回らず、上に挙げたグループの中ではアナバスと並んでどうもぴんと来ないものだろう。

 

わざわざ化石がどうとか言わずとも、淡水魚だけでなおかつこの分布を見ればすぐ察しがつくように白亜紀ごろにはこのグループは存在していた。インドというのはどういう経緯で進化したのかはよくわからない。

 

 

飼育 流通するカラシンのほとんどは養殖されたもので、基本的に飼育は容易。

水温は25度前後 Phは多少低めの6,5前後。

ろ過がよく効き、よく馴染んだ少し古い水で買うと本来の色が出てくる。

 

~テトラはこのような水で飼えばたいてい調子はいいので、注意が必要なもの以外はこれだけで充分飼えてしまう。

小型のものはたいてい性質が荒いということもないので「常識的」に考えて「食べられそう」「襲われそう」な大きさや性質のもの以外は組み合わせることが出来る。

 

テトラ聞けば水草と組み合わせたくなるが、1600種もいて、これだけ生態もバラバラだと、水草を食べるものも意外といるのでそういったものは特記しておく。

このグループの中でも小型のものでは一つだけ注意点がある。

とにかく「ネオン病」を持ち込まないこと。

90年代よりはずっと少なくなったがそれでも時折出てくる。

 

輸送による細かい傷に免疫が落ちたときに、カラムナリスが筋肉組織内で繁殖して起こる細菌感染症で、初期に衰弱して群れから離れ、患部が白く色が飛んだようになり、次第に発赤して潰瘍のようになり死ぬ。

 

と、これだけでは1匹2匹の被害かと思うが、感染力がすさまじい。

感染されると、一気に広がりたちまち水槽内は全滅。下手をすれば、水しぶき一つで隣の水槽に拡大するということもある。以前勤めた某店で確認。

 

このときは比較的体力のある大きなネオンテトラから拡大して周囲のテトラ類の水槽をほぼ根絶やしにした。

 

こんな状態でも平気で売る店があるので気をつけないといけない。

 

この病気は、なぜだか、カラシン以外の魚類には感染しない。

また、病原菌になる最近にしては珍しく好気性の細菌。

 

一応治療方法は、水温を28度に上げて、0,50,7%の食塩水に設定し(0,7%はかなり濃いので徐々に塩分濃度を上げていく)、オキソリン酸の配合されたパラザンDやサルファ剤の配合されたグリーンFゴールド、テラマイシンなどの抗菌剤や、抗生物質のようなものが効く。ただし気付いたときには大抵間に合わないので、普段から予備の飼育設備を一つ用意しておくのが賢明。

 

 

 

 

 

 

コンゴテトラ Phenacogrammus interruptus  10cm程度

 

その名の通り、コンゴ川の上流域に分布する。

1954年に紹介され57年に輸入された。

淡いメタリックなブルー・コバルト・イエロー・パープルがグラデーションのような¥に交じり合った色あいになる。

成魚になるとオスは尾鰭の縁に白い線が出て、三叉に分かれる。

各鰭は伸張するので雌雄の判別は容易。

非常に見栄えにする魚だが、10cmを超える大きさから、小型の魚は食べてしまうことがあり、マヤカ・リノシッポなどの葉の柔らかい水草は食べる。ミクロソリウムや、アヌビアス、エキノドルス、クリプトコリネあたりで組み合わせるのが無難。

 

近縁種に黄色みの強いイエローコンゴテトラがいる。

 

 

エンペラーテトラ Nematobrycon palmeri   4~5cm 

コロンビアに分布する。ただし大抵東南アジアでの養殖物。

茶色い体に・青黒い太いラインが入る。オスは青紫色のラインと褐色で縁取られた黄色い鰭を持つ。この青紫色のラインは成長途中だったり、水に慣れてこないときれいに発色しない。成長すれば容易に見分けが付く。

少々高温と水質の悪化に弱いので25度程度を保つようにする。

青黒い帯が全身に入るように固定されたブラックエンペラーテトラという改良品種もいる。

 

カーディナルテトラ 

 

Hyphessobrycon Cardinals  4~5cm

リオ・ネグロ川に分布する。Hyphessobryconはネオンテトラの近縁種に付くグループで、後半のCardinalsは枢機卿のこと。発見者にちなんだだけ。

1956年に紹介され、当初は」ネオンテトラの改良種と思われた。当時はレッドネオンとも呼ばれた。

以前はコロンビアからの直行便かアメリカ・ヨーロッパを経由して輸送されたものがほとんどで、価格が割合高かった。最近は東南アジア産のものが急速に増え価格がだいぶ落ちた。

カーディナルは尾まで赤い線が延び、太い。青も若干緑に近く発色がいいので目立つ。

ネオンテトラより高価だが、一体が大きくなり、色も濃いのでネオンテトラより見栄えがする。

ネオンテトラより数を減らせるので、管理は若干楽。

ネオンテトラ

 

グリーンネオンテトラ

グローライトテトラ

ブラックテトラ

   

ペンギンテトラ  サンタマリア Thayeria sancta-mariae トカンティス川上流域 5cm程度

銀色の体に一本の黒い帯があり、頭を上に傾けて泳ぐ習性から、ペンギンを想起させるのでペンギンテトラと呼ばれる。

雌雄の判別はおそらくしりビレの模様、微妙に違うのでひょっとしたらこれかもしれないという程度。束ねた水草や棕櫚の皮などの産卵床に卵を産む。5日程度で孵化する。初期にはインフゾリアを与える。

若干性質は荒いというが、極端に小さな個体を放り込むようなことをしなければあまり問題ないだろう。現にカーディナル・ラミー・レモン等数種と組み合わせてるが問題はおきていない。

 

最近バルーンペンギンという背骨の湾曲した個体を固定したものがでている。

「縮み物」が好きな方はどうぞ。

 

レモンテトラ Hyphesso brycon pulchripinnis    アマゾン川        4cm程度

透き通った体に、各鰭を鮮やかな黄色が縁取り、目の強膜のあたりが赤色で意外と目立つ。

若いときほどこの透き通った感じは強い。

ペンギンテトラと同様に繁殖させることが出来る。メスはふっくらとしているという程度しか見分けようがない。

マヤカ・リスノショッポなどやわらかい水草、新芽などは食べるので要注意。割合よく繁茂した水槽に少数入れる程度がいい。アマゾンソード・バリスネリアなど、比較的固く育てやすい植物と組み合わせるのが無難だろう。

 

アルビノの個体やバルーンレモンテトラも出ている。

 

 

ラミーノーズ 

 

赤い頭部を持ち、透明感のある褐色の体に尾の付け根辺りに白と黒の模様が入る。

この頭部の赤色は魚に水質が合うと濃くなってゆく。

このカラシンのページの最初に書いた「水温は25度前後 Phは多少低めの6,5前後。

ろ過がよく効き、よく馴染んだ少し古い水で買うと本来の色が出てくる」というセオリーどおりの飼い方で大抵濃くなる。濃くなってくると鰓蓋の辺りまで赤く染まる。さらに状態がいいと鰓蓋の後ろまで赤くなる。

水質管理能力の自己顕示に使える。

最近はアルビノの個体も出回るようになった。

 

かなり近縁な種にレッドノーズテトラがある。尾びれの模様の違いで見分ける。こちらのほうが発色させるのが難しく、出回っているのも野生の個体がほとんど。                                      

 

 

レッドコロソマ

雑食の大型カラシンの一種で、ピラニアの近縁種。

レッドコロソマは数あるカラシンの中でも大きくなるもので、設備の用意は大変だが、飼育そのものは容易。成魚になるとのどの周りが赤くなる。この赤みを維持するためにはカロテノイドを摂らせる。色揚げ効果のある人工餌やえびなどを与える。

小魚・鶏肉・畜肉・木の実・貝類・穀物・水生植物とありとあらゆるものを食べてしまうだけに、餌付けに困ることはまずない。

かなり大食なので、水の悪化には注意を要する。大型魚を飼っていると、気づいたらPHが5近くまでに下がっていたとか言うことは割合よくある。そのためにも、本来は適さないが珊瑚砂やカキガラを濾過槽にでも入れておき一気に水が酸性に傾かないようにする。

メチニス

 

草食性の中型カラシン。アマゾン川に分布し、自然では40cm程度、飼育下ではおおむね20cm程度に成長する。平べったい体なのでかなり大きく見える。

数センチの幼魚が売られている。飼育は容易で、餌付けに困ることはないが、水草をよく食べるので、その性質にこちらが困る。

ミクロソリウムのような葉の硬い水草もバリバリと食べてしまうので、水草をはまず一緒に育てられない。

従って、流木などで水槽を飾るか人工の水草を使うしかない。

かなり活発に泳ぐので大きめの水槽を用意する60cm水槽でも飼えない事はないが、90cm以上の水槽を用意して5・6匹以上の群れで飼育するといい。

 

水温は25度前後、水質は弱酸性から中性を保つ。

 

成長はそこそこ早く、2cm程度の稚魚も1年あれば8cm程度になってしまう。

 

性質はおとなしい。ただし先にも書いたが活発に泳ぐのでディスカスとの混泳はあまり勧められない。いくらおとなしくても、明らかに口に入ってしまう小型魚も無理。

なかなかかっこいい魚なので、ぜひ飼ってもらいたい種。

 

繁殖は日本で例があり、東博氏が日本で最初に繁殖に成功させた。氏は他にも何種類もの魚を繁殖させているスペシャリストだ。

 

オスは発情すると、背びれが赤くなり、メスは卵を孕んで膨れる。

うまく産卵までこぎつければ、水中にばら撒くように卵を産む。

数日で孵化し、卵嚢を吸収しきる数日後からブラインシュリンプやインフゾリアを与えて育てる。

つまり、上部式フィルターや外部式は使わず底面式で実行しないとだめだ。卵を積極的に濾過槽に棄てることになる。

産卵を確認したら親は離しておく。

メチニスに限らずマンボウ・ハギ・キッシンググラミーのように多数の卵をばら撒いて産むタイプの産卵形態を持つ魚は同じような底面方式を使うのが理想的だ。まあ、マンボウは飼育自体が非現実的すぎるけど・・・

 

 

スポッテッドメチニス

 

メチニスに近い種で、その名の通り黒いまだら模様が入る。

飼育繁殖はメチニスに準じる。

 

 

ブラックネオンテトラ

 

Hyphessobrycon scholzei アマゾン 4~6cm

銀色の体に黄色いラインが入り、その下に太い黒いラインが入るり強膜はオレンジ色。

ネオンテトラの近縁だが、長さだけでなく高さも大きいため、意外と目立つ。

カーディナルやネオンの群れを入れてアクセントに入れたり、薄暗い水景を表現した水槽などに入れるとよい。

繁殖は束ねた水草や棕櫚の皮に産卵する。このグループでは簡単に繁殖させられる。

稚魚にはブラインシュリンプを与える。

 

 

バンテッドレポリナス レポリナスファシアタス

 

 

 Leporinus fasciatus 

オリノコ川・アマゾン河 25~30cm程度

1957年に輸入された。飼育は特に難しいことは無いが、非常に気が強く、ピラニア・ナッテレリーの群れと仝水槽で飼育し三年以上共存できた例もあるほど。

同様の実験をフラミンゴシクリッドで試したことがあるが、二週間持たなかった。気の強い魚との混泳

は成功しやすいようで、現にコンビクトシクリッド・レッドジュエル・アブラミテスという気の強い魚の代表みたいなものと混泳している。

 

アヌビアスのような固い葉の植物でもない限りバリバリと食べてしまうので注意が必要。

流木などでレイアウトした水槽でメチニスのようなものと飼うのがよいだろう。

最近は輸入が少ない。

 

アブラミテス

 

 

ハチェットの仲間

ハチェットの仲間はいずれも上向きの口を持ち、不等辺三角形の扁平な体に大きな胸鰭が付いている。そして、カラシンでは珍しく脂鰭がない。

上向きの口からわかるように、水面の餌を食べる生き物で、大きな胸鰭は水面をジャンプした後滑空するときに使う。

まさに飛魚の淡水版だ。

ハチェットとは現地語で「手斧」のことで兵器で言ったら宋の宣花斧みたいな感じ、三角形の薄い体形と鋼のような銀色に由来している。

殆どの種類が10cmを越えることはなく、45cm程度の水槽で飼育が可能だ。

餌は浮上性の餌を使う・・・といいたいところだが、浮上性の餌は殆どが粒が大きいので適さない。

そこで、フレーク餌や、顆粒の餌を使う。

濾過装置に上部式は適さない。なんだかんだであちこちに隙間ができてしまい、飛び出されてしまう。

エアーチューブやコード一本で済む投げ込みや、スポンジフィルター、底面式が適している。

そして、蓋は必ず隙間を全て徹底的にふさぐ。

常に水面にいるので、あまり強い水流ができないように気をつける。

混泳は小型のテトラやコリドラスが向く。小型のといってあるんだから、コンゴテトラみたいな中型のものと組まないように。

コリドラスは生活圏を異にし、水底の餌を食べるので、食べ残しを防ぐ意味でもちょうどいい。

ただし、ピグミーハチェットは2,5cmほどにしかならない小型種なので、テトラの大きさには気をつける。

成長したブラックテトラなどは気をつける。

 

水温は水面に住むものなので少々高めの27度程度がいいのだが、同居するコリドラスのことを考えると、25度ぐらいでいい。

水質は中性から弱酸性を維持する。

導入直後はよく白点病を持ち込むので水温を28度程度にしておく。

 

唯一10cmを越えるのはトラコカラックスだが、こちらも温和な性質で特に飼育場の注意はない。他のハチェットと同様に飼育できるが、あまりに大きさが異なるのでピグミーハチェットとは組み合わせないほうがいい。

 

ハチェットの繁殖は意外に難しくいまだ聞いたこともないので、殆どが採集個体である。

 

シルバーハチェット

5cmぐらいになる。ハチェットの中で最もよく飼われるもの。

 

ピグミーハチェット

2,5cmほどのハチェット最小種。この種だけでのまとまった輸入はまずない。大抵他の魚に混ざって入ってくる。小型種ゆえ他のハチェットより混泳には注意すべし。

 

マーブルハチェット

4cmほどになる。名のとおり銀色と褐色の大理石模様が綺麗だ。

マーサハチェット

cmぐらいになる。これには絵図のような個体のほかに腹部が網目模様になる個体がいる。どちらも腹部の輪郭が黒くなり、ブラックウイングハチェットの異名を持つ。

 

トラコカラックス

最大10cmにもなるハチェットの大型種。大型でよく目立つ。あまり輸入されないが、入るときはまとまって入ったりする。

 

ガステロペレクス・レヴィス

トラコカラックスと同様10cm程度になる。トラコカラックスより輸入は少ない。

 

番外編 ハチェットじゃないハチェット

エロンガータハチェット エロンゲートハチェット

10cmほどになる中型カラシン。時折輸入される。

大きな胸鰭を持ちちょっとハチェットっポイ?やっぱり似てないよな。

ハチェットの名を冠しているだけあってやっぱり水面に棲む。

よってハチェットと飼育方法は似ている。ただし、ネオンテトラなどの小型魚との混泳は無理。

メチニスなどを組むといいかもしれない。

 

ハチェットバルブ

もはやカラシンですらないコイの仲間。

薄っぺらくて、胸は張り出していて、胸鰭も大きいのでハチェットといいたくなるのもわかるが紛らわしい。飼育は他のプンティウスに準じる。

 

 

ピラニアナッテリー

映画などのイメージでさも獰猛な生き物かと思われているが、案外飼ってみるとそうでもない。イメージに過ぎない。

ピラニアは種類にもよるが、少なくとも普及種のナッテリーは10匹程度の群れで飼育しないとおびえて動かない。

ピラニアが反応するのは不自然に暴れる水音や血の臭いで、案外ピラニアがうようよいる小川で泳いでも平気なようだ。

90年代だったかな?ブラジルでバスが川に転落する事故があり、バスに取り残された人は外見で誰だか判別不能な死体にされたという。

だからといって特別飼育する上で怯えるような物でもない。

種類や個体の大きさにもよるが所詮は臆病な肉食の小魚だ。

 

ピラニアナッテリー

 

ナッテレリーを飼育する上で大切なことは、多数で飼いとにかく落ち着かせることだ。

よって水槽はドアのそばなど大きな音のするところには置かないのが鉄則だ。

また、魚類は上から除かれるのを非常に嫌う。自然では水鳥の脅威があるのだ。水槽は目線程度の高さにしてやる。

 

水質は弱酸性の軟水が理想的だが、肉食ゆえに水をよく汚すので、中性あたりに調整しておく。水換えのたびに弱酸性にしていては、すぐに硝酸塩が溜まって適応できないほどの酸性になってしまう。

水質が適水質ピタリになると腹の赤みが鮮やかになる。いつもより綺麗だなと思ったら換水の時期だ。

 

水温は稚魚が比較的白点病に罹りやすいので28度程度に保ち、10cm程度に成長したら25度程度に下げる。

 

餌には金魚を使うといいたいところだが、餌代がバカにならない。うまく肉食魚用の乾燥餌に慣らす。なれないときは、冷凍した小魚を使うといい。これなら病原菌を持ち込む心配はまずない。稚魚にはイトメやアカムシを使って早く魚肉を食べさせる大きさに育てる。

 

また、稚魚から飼育を始めるときは20匹ぐらいで飼い始めるといい。

成魚にするまでに、必ず共食いされるものが出てくるからだ。これで成魚になったときにおそらく10数匹は残る。これを120cm程度の水槽で飼うといい。

 

濾過装置は上部式フィルターを勧める。濾過容積が小さいという欠点があるが、底面式のように水槽に手を突っ込む機会を少しでも減らすためだ。成魚なら大人の指でも持っていかれかねない。

また、ヒーターやサーモスタットのコードも危ない。アクリル板などでコーナーガードを作ってここに収納する。上部式フィルターであれば、給水口もここに収めてしまえばうまく水温を一定に保てる。

網は使い捨てと思ったほうがいい。ティッシュを引き裂くかのように破ってくれる。

必要とあればステンレス製の取っ手の付いたざるを使うくらいのほうがいい。

 

コケを取るにも不用意に水槽に手を突っ込むのは避けたい。マグネット式のコケ取り器などを使うと良い。そういうわけでアクリルよりガラス水槽のほうがよいと思われる。

 

 

ピラヤ

ピラヤはピラニアの最大種で50cmほどになる。性質は荒く、水槽内で複数飼育はまずできない。ナッテリーよりも腹の赤い部分の面積が広いがオレンジ色に近い。

かなり大型になるので120cm程度の水槽を用意する。

 

ウィンプルピラニア

全長は15cmにもならない小型種。魚肉ではなく、他の魚の鱗を食べる特異な性質を持つ。鱗には多くのたんぱく質の一つであるキチン質が含まれており、これを消化できれば充分栄養になる。

そうだ、鯉こくがいい例だ。鯉こくをうまく作るコツはとにかく弱火で長時間煮ること。

そうすることで、鱗も柔らかくなりとろっとした食感になる。

そういうわけで、鱗を主食とするので、何種類かの小魚を常に用意しておく。パッと忍び寄って綺麗に鱗だけを剥いでいく。金魚でやるなら、別下など少し大きめの個体を使い、もう一本の水槽を用意してローテーションで使うといい。

 

ショートノーズクラウンテトラ

 

アフリカ産の大型カラシンの一つで、コンゴ川に分布し、最大80cm近くになる。

東南アジアで養殖されたものが出回る。

飼育下では30cm程度にしかならないことが多い。

餌は人工餌ならおよそなんでも食べる。

水質は弱酸性の軟水か中性の軟水を維持する。

水温は26度前後。

飼育には最低90cm水槽を用いる。

 

成魚になるにつれて気が強くなってくるのでこの点は気をつける。混泳相手もそれなりに強いものがいい。同種では争うので、同種を数匹とかいう組み合わせだけは避ける。

オーネイトキャットとか、ポリプテルスだとかアフリカのものでそろえてみるのも面白いかもしれない。また、色は多少黒ずむ。

 

ショートノーズということは、ロングノーズクラウンテトラも輸入される。

こちらも飼育方法はショートノーズに準じる。

 

ピンクテールカラシン

アマゾン川に分布する中型カラシン。25cm~30cm程度に成長する。

銀色の体に淡い青や緑の模様が入り鰭はピンク色になる。かなり豪華な色合いだ。ぜひとも10匹程度の群れで飼いたい。

よく水槽から飛び出すので注意が必要。

そのほかのことはメチニスに準じる。

近縁にスポッテッドピンクテールカラシンがいる。

これは頭骨がほっそりしていて、体側にピンク色のスポットが並ぶことで見分けが付く。稚魚なら頭骨だけで見分けられる。

 

じつは90年代に書かれた手元の図鑑の約半数でこの二種が間違って載っていた。2014年1月に指摘されて、調べてみたら発覚した。ちなみにこの時代に大量の本を監修した人の図鑑はことごとく間違っている。よく図書館に置いてあると思われる集めの図鑑なので見てみられたし。

そりゃあ指摘されるまで気づかないわけだ。特に注意してみたこともない種だし。ちなみに、2000年くらいのフィッシュマガジンで熱帯魚飼育史そうめくりという特集があり、東博氏が繁殖させた時の写真でまず「ピンクテールカラシン」を特定した。その時80年代に日本で始めて繁殖させたようなことが書いてあったが牧野信司氏の続原色熱帯魚図鑑には50年代に始めて国産したと書かれていた。20年以上のずれがあり矛盾している。

 

イエローピンクテールカラシン

ピンクテールカラシンの近似種。腹鰭と尻鰭が黄色くなる。

飼育方法はメチニス・ピンクテールカラシンに準じる。