熱帯魚図鑑

海水無脊椎動物


すごーく大雑把に海水無脊椎動物と括ってしまった。

観賞用に輸入されるものでもかなりの種類がある。

よって、大まかなことだけ書いていき、細かい種類だとかには手を出さない。

遣り出したらほんとにきりがなくなる。

また、サンゴは殆ど育てたことがない。

唯一やったのがバブルコーラルぐらいで、ミドリイシなど手を出したこともない。この辺のことは、海水館さまのページを参照されたし。

 

そうそう、無脊椎動物は基本的に銅イオンに弱い。白点病などの治療に硫酸銅を使ったことのある水槽での飼育は無理。

 

サンゴ砂も流用できない。しっかりと奥のほうまで銅イオンが染み込む。

そういった意味からもマスキング剤を使ったほうがいい。

 

ヤドカリは例外中の例外で、銅イオンを添加しても死なないことが多いし、過去に使ったことがある水槽程度なら大抵平気で生きていける。

 

ヒトデの類

 

ヒトデはおおむね飼いやすい。特にお多く輸入されるのがコブヒトデだ。コブヒトデは見た目には薄い褐色一色か、体のコブ周辺が黒くなるだけだ。

 

こんなもんがなぜ大量に輸入されるの?と思うようなものだ。

理由は簡単、ヒトデを専食するフリソデエビの餌にするためだ。

 

このフリソデエビやウミウシの類などのように海の無脊椎動物はわけのわからないものを食べるものが多い。その点で、ヒトデはまず餌に困らないことが飼育は容易といえる一因だ。

 

コブヒトデのような種ばかりではなく、アオヒトデやモミジガイ・コブヒトデSPと呼ばれる朱色のコブヒトデなどの様な鮮やかな種も輸入される。

 

コブヒトデ

 

通常の水作りをした海水水槽で飼う。水温は25℃程度とするが、白点病の治療などで温度を30℃程度にすることがあっても耐える。

 

餌には動物質の物を使えばいい。剥いたアサリや本当に適当な魚肉の切れ端程度で問題ないし、沈下製の人工餌も食べる。

動物食なので、貝類・ウニ・その他甲殻類はことごとく餌になるし、弱った魚も食べてしまうので注意が必要だ。

 

ただしヒトデの仲間は弱ると全般的にサポニンを分泌する。これに毒性があるので、溶けかかっていないかだとか、死んでいないかとか、そういったところはよく見ておく。

 

コブヒトデに関しては以上だ。

 

次にいくつか注意のいる種を挙げる。

 

イトマキヒトデ

日本近海に分布し、朱色を基調とし青あるいは青黒い模様が入る。飼育方法は基本的にはコブヒトデに準じるが、イトマキは高水温に弱い。

28度を超える日が続くようだと、溶け始めるのでこの点に気をつける。

 

 

クモヒトデ

体の中心が円形で細長い八本脚なのでこう呼ばれる。

こいつらはベントス食性なので、根本的に餌が違う。よって長期飼育は困難だ。

 

ネズッポの飼育方法で紹介したような環境を用意してやると、比較的長生きしやすくなるだろう。

 

オニヒトデ

サンゴを食い荒らす生物として悪名高いオニヒトデも時折観賞用に入荷する。

時折という程度なので、そう多く入ってくるわけではない。

 

こやつらは、全身をトゲで覆われている。このトゲに毒があるので絶対に素手で触ってはいけない。刺されると蜂に刺されたようになるという。

悪食で、餌などに困ることはまずない。

 

しかし、オニヒトデの用途はこんなことだけではない。分泌する粘液には殺菌作用があり、白点病を予防する効果がある。

海水魚の病気の80%以上が白点病といわれているくらいなので、オニヒトデの導入はかなり有効だ。

 

ただし、使い方を誤るととんでもないことになる。そこでオニヒトデ自身を濾過槽で飼うといい。何も与えなくても死ぬことはないようで、時折魚肉などを放り込むだけでも充分だ。

 

メインタンクでチョウチョウウオなど白点病に弱い生き物を飼ったり、あるいは薬品を使えぬサンゴなどと魚類を飼育しているときに白点病の予防に使うといい。

 

 

ウミシダ

なんだかわけのわからない生物で、一見植物のようだがヒトデと同じ棘皮動物なのでここに入れた。

意外と泳ぐ。結構不気味だ。

 

生態がよくわかっていないので長期飼育は難しい。

 

 

ウニの類

ウニの類はヒトデと同じ棘皮動物だが、植生は草食で海藻を食べる。

飼育自体は容易だが、餌となる海藻を切らさないようにしてやる。

 

乾燥ワカメの「塩蔵」でないものを水で戻して沈めてやると食べる。

なお、ヒトデと一緒に飼うと積極的に食べられる。

 

ガンガゼ 

観賞用に輸入されるものの中では最もよく輸入される。

非常に長いとげを持ち、このトゲにはプテラポゴンの稚魚やカクレエビなどが身を寄せる。

 

先端は非常に細く、うっかり素手で触るとトゲが刺さり先端で折れてしまうので非常に痛むだけでなく、化膿炎症まですることがあるので、ガンガゼを入れた水槽に手を入れるときには細心の注意を払う。

 

ムラサキウニ

飼育法方法はガンガゼと特に変わらないが、こちらはトゲが太く短いので挿される心配は先ずない。その分飼育が楽とも言える。

 

タコノマクラ

めったに流通しないが、タコノマクラもルートに乗ることがある。

非常に短いとげを持ち、砂地に住む。

ウミウシの類

ウミウシは全般的に水槽で飼育するには鬼門といえる生物だ。

なにせ餌をまず調達できない。

 

特定の種のウミウシを専食するウミウシ

特定のカイメンを食べるウミウシ

 

ハッポウサンゴを食べるウミウシなど食性がバラエティーに富みすぎている。

 

よって、長期飼育はほぼ不可能だが、あまりに美しい種が多いのでよく輸入される。

 

ちなみに写真のアオウミウシは三浦半島で三匹かたまっていたところを捕獲して持ち帰ったもので「これだけいるのだからこのカイメンを食べるのでは?」と思い、似たようなカイメンを剥いでもってきたが、ことごとく食べず、うっかり複数持ってきてしまったので産卵してあっという間に体力を消耗させて一ヵ月半ほどしか持たなかった。

 

かたまっていたところにあったカイメンをもってきてもこの有様だ。

 

うっかり複数もっていたと書いたが、少しでも長持ちさせるには同種を複数買わないことがコツだ。なにぶん無性生殖なので複数いればどれかが産卵して弱る。

 

 

二枚貝の類

 

二枚貝の類は淡水でも厄介だ。なにせ偽糞という全く消化していないものを糞としてだすのであたかも餌を食べているように見せかけてくる。よって、給餌は専用の粉餌を水に溶いたものをスポイトで給水口に吹き付けてやる。これをきちっとやれるなら飼育はさほど難しくない。

 

ウコンハネガイあるいはフレームスキャロップという名の種が多く輸入される。

赤いひだひだした膜を伸ばし、膜の縁取りが緑色に光って見える怪しい美しさを持つ貝だ。

 

魚類との混泳は基本的に勧められない。おとなしい小型ハゼぐらいにしておかないと、容赦なく食いちぎられるだろう。

 

 

シャコガイ

どうもタニシやイシマキガイのイメージが先行して貝=藻類を食べるように思われがちだがシャコガイは光合成で栄養をうる。

 

好日性のサンゴなどと同様に、褐虫藻と呼ばれる藻類を体内に持ちこれが作り出す栄養をとる。

 

従って非常に強い光を要求する。

余程強いメタハラを使うとかそういった条件などがなければ、レフュジームタンクなどを用いて水位を落としたところへ強い光を当ててやるとかそういった工夫が必要だ。

 

 

海藻の類

 

主にカウレルパ属の海藻が輸入される。

パロットフェザー  タカノハヅタ センナリヅタなどが知られる。

いずれの種も照明を強めに当てて、ある程度養分のある海水で栽培できる。

特に燐が重要で、この性質を利用してモナコ式水槽などでは溜まった燐酸を繁茂させた海藻を切り取ることによってリン酸を下げたりする。

 

高温に弱く28℃以上に晒さないようにする。また、水が合わないとあっという間に枯れてしまう。

 

導入に失敗さえしなければ、あっという間に殖えてしまう。

 

サボテングサ

一見サボテンのように見える海藻で、割合頻繁に輸入される。

育成には高めの溶存カルシウム濃度が不可欠で、光はあまり強くしないほうがよい。

 

頭足類

 

あまり聞かない名だが、早い話がタコやイカだ。これらも観賞用として数は少ないものの輸入される。

タコはまだ飼いやすいがイカは非常に難しい部類に入る。

さらに、この仲間に入るオウムガイも時折輸入され非常に人気が高い。

 

タコ

時折イイダコが出回るが圧倒的に多く輸入され、人気の高いのはブルーリングオクトパスの英名を持つヒョウモンダコだ。小型で柄も綺麗で言うことなし・・・

 

といいたいが、噛まれればしにいたることもあるほどの猛毒をもつ。

絶対に素手で扱ってはいけない。

 

タコを扱う場合は必ず濾過のよく効いた水槽で飼う。亜硝酸が多くなるとタコは脱走を図る。

 

ブルーリングオクトパスの場合水温を25度程度にする。

餌にはクリルやアサリを与える。

ただし、単食は厳禁で、時折頭のついたエビなど他のものも食べさせてやる。

 

 

オウムガイ

 

時折輸入されるが、うまく飼えるか飼えないかは購入のときにほぼ全て決まる。

深い海域に棲むので、減圧処理がうまくいっていないことが時折ある。ボーっと水面を漂うような個体は要注意だ。

 

最低でも90cm水槽を使い必ずクーラーを使い水温は25℃を上限とする、タコ同様濾過のよく効いた水で飼う。

餌もタコと同様甲殻類を中心に与える。

 

魚類との混泳は避ける。脚に食いつかれたりと碌なことが起きないだろう。

 

 

イカの類

 

ハナイカなどコウイカの類が稀に入り、新春から仲春までの間にはコブシメというコウイカの卵が出回る。

 

溶存酸素量を多くし、清浄な海水で飼育する。餌にはタコ同様のものを用い、水温は25度を上限とする。

 

エビの類

 

海老という表記の由来は長い触角が老人のヒゲのように見えることと、体が「えびぞり」とも呼ばれるほどに曲がることからやはり腰の曲がった老人に見立てられてこう呼ばれる。

ゆえに、長寿の象徴であり茹でると紅白だんだら模様になるので縁起物とされる。キャメルシュリンプはラクダエビという意味になるので、もっともコノイメージに近いエビということになる。

 

エビの類はおおむね飼育しやすい。よく輸入されるものにスカンクシュリンプ・ホワイトソックス・キャメルシュリンプ・オトヒメエビがいる。

少し大型のもので、ショウグンエビ・ゴシキエビ・イセエビが時折入る。

 

生態の変わったものにはテッポエビの仲間がいる。

 

導入に当たって、水質の急変には弱いことが注意点として挙げられる。

これは点滴バケツなどを使って水合わせに最低30分程度かけることでショック死を予防できる。よって、買ってくるときにはエビの類は特に水を多めにもらってくる。

 

 

テッポウエビの仲間は特定のハゼを巣穴に住まわせ見張りをさせる。また、ハゼはエビに巣穴を提供してもらうという共生を見せる。

ネジリンボウやニチリンダテハゼなどがよく用いられる。

 

これを見るには、粗いサンゴ砂と細かいサンゴ砂を混ぜた底床を作ると巣を作りやすいので砂を混ぜてやる。

 

テッポエビは「ハサミ」を打ち鳴らすことで大きな音を立て、餌とする動物を脅かし気絶させて捕食する。あまりに小さい魚類などと混泳させるはやめたほうがいい。

 

 

 

フリソデエビ

 

フリソデエビは冒頭のヒトデの紹介に書いたがヒトデを食べる珍しいエビだ。

大抵ペアで売られている。食性だけでなく、美しく奇妙な姿からも人気が高い。

 

フリソデエビ自体を飼育するには30cm程度の水槽に底面式フィルターを取り付けて、水温を25度前後に保てるようにオートヒーターを付けただけというような簡単な設備で充分だ。ただし、真夏の高温には気をつける。

 

餌には安価なコブヒトデを使うといい。ただし、数匹のエビを飼わないと中途半端に食べてヒトデが死んでしまうので水を汚してヒトデ代がかさむだけだ。

ヒトデをストックする水槽も必要になるので、45cm程度の水槽を仕切って半分をヒトデ専用にしてしまうといい。

 

順当に飼育できればそのうちメスは卵を抱える。色が変わるころに放卵するので、別記のエアリフトを使って抱卵された卵を回収しちゃうネーターやプランクトンネットを使って回収する。

餌に困ることになるので、ある程度の共食いで数が減ることも見越してなるべく多くとっておくといい。その意味でも、放卵の直後にプランクトンネットを振り回すより、ネーターを使って少し前から回収の準備をしておいたほうがいいだろう。

 

回収した卵は元の水槽の水を入れたビーカーか何かに入れて、エアーレーションしておくと数日で孵化する。

 

さて、孵化したら餌が問題だ。そこで、海水版の青水を事前に作っておく。これならある程度微生物が湧いているので少しは生き残る。

 

しばらくは、この青水を滴下しながら育て、ぎりぎり目視できるようになったらブラインシュリンプの幼生やアルテミアを与え始める。

 

変態を終えて、エビらしい形になったころにはヒトデを食べられるようになる。

同時に、底面式フィルターで砂に吸い込まれないくらいには育っているはずなので水槽に移してヒトデを与え始める。

 

ウチワエビエビ・セミエビの類

平べったい形で一見エビには見えないがこれらはイセエビの仲間だ。

50mから100mほどの海底に棲む。従って夏場の高水温には気を付ける。

 

ウチワエビの旬は10月から11月ごろで主に冬に入荷する。

 

体長のよい個体は、尻尾を丸く折りたたみ、脚で踏ん張っているようにしっかりと砂の上に立つ。

そうでないものは弱っている。

 

餌には動物質の多い沈下製の人工餌を使う。

 

弱ると口から肝を出して死ぬ。

こんな状況でもしっかりエビのにおいがする。

 

イソギンチャク

 

クマノミ共生するのでニモが流行ったころから爆発的に輸入量が増え、むちゃくちゃな輸送をされるようになった。腔腸動物と呼ばれ、淡水魚の水槽にわいて嫌になるヒドラもこの仲間。

非常に原始的な生き物でだが飼育は少々厄介な部類に入る。

 

まず、やたら安いものを避ける。航空輸送でくるので、運賃を少しでも落とすために水を入れずに輸送する。これ自体は耐えるには耐えるが弱る。

常識的に考えればすぐわかるが、いくら干満の差がある磯にすむイソギンチャクが空気に晒されると入っても、丸一日晒されるわけはない。

航空輸送を使ったとしても、どう考えても採集地でパッキングされてから直送されたとしても日本の問屋について水に入れられるまで一日はかかる。

 

これで弱らないほうがどうかしている。

 

だからといって水を入れて輸送すると粘液を出して、水が汚れ酸欠になる。ゆえにイソギンチャクの輸送は厄介なのだ。

 

また、イソギンチャクを磯で採集しようとしたことのある人ならわかるだろうが、かなり厄介だ。岩のくぼみにくっつくので、はがせない。こういう場合は鏨と鉄鎚を駆使して、周りの岩をうまくはがしていくしかない。

 

少し、岩の割れ方が悪いだけでも、傷がつき使い物にならなくなる。

下手すれば小さなイソギンチャク一つ剥がすのに15分くらいかかることもある。

 

そこで、ある薬品を海中にばら撒いて、ショックでイソギンチャクをはがす方法をとることもある。

 

この方法を使われたイソギンチャクは確実に死ぬ。

 

同じ方法を海水魚でも使うが、やはり餌付かずに死ぬ。

 

特別な理由がない限りやたら安いものはかなり注意が必要だ。

 

イソギンチャクは基本的には、胞刺を使い、獲物を毒で麻痺させてから飲み込むので、動きの遅い小型魚との混泳は絶望的だ。

また、チョウチョウウオなどは積極的につつく。

 

餌には、水に沈むようにしたクリルや、アサリの剥き身を使い、ピンセットで口元に持っていく。

 

イソギンチャクの仲間にも好日性のものがいる。いるというか、餌をとることと併用する場合が多い。

褐虫藻を共生させてそれが作り出した栄養を取る。

こういった性質から、イソギンチャクには強い光を当ててやる。

 

特にシライトイソギンチャクは真っ白な本体と触手で、触手の先端が鮮やかな赤紫色に染まるが、白い個体は育てるのが非常に難しい。

餌だけに頼ることになるうえに体質も弱い。

逆に白い場所が褐色がかった個体は褐虫藻を多く共生させているのでうまくいけば餌を与える必要すらない個体もいる。

 

イソギンチャクを育てるには清浄な海水を使う。特に分泌する粘膜で海水を汚すので、プロテインスキマーを使うといい。

 

ただしプロテインスキマーを使うと必須元素も抜き取ってしまうのでこれらを添加する意味でも、換水は行う。

 

モナコ式水槽で飼うと、元々照明は強めで水の入れ替わりもないので特楽だ。

 

クマノミと一緒に飼われることが多いが、クマノミとイソギンチャクの飼育難易度を比べると、クマノミのほうが簡単だ。

 

そこで、先にイソギンチャクを飼い、イソギンチャクが安定してからクマノミをよくトリートメントしてから入れる。

クマノミはただでさえ皮膚病・ウーディニューム・白点病を持ち込みやすい。

何の準備もなしに入れるのは危険極まりない。

 

皮膚病の特効薬であるグリーンFゴールドを投入できないからだ。

白点病だって、初期に使うマラカイトグリーンは入れられるが、重症のとき使う硫酸銅が添加できない。これは厄介だ。

 

そんなわけで、何度も言うがイソギンチャクが先だ。イソギンチャクが安定しているような環境ならそうそう白点病などにはならない。

 

そんなわけで、何度も言うがイソギンチャクが先だ。イソギンチャクが安定しているような環境ならそうそう白点病などにはならない。

 

大事なことなので二回言ってみました。

 

 

巻き貝の類

コケ取りにシッタカや稀にサザエを使う。

飼育上特に注意は要らない。

 

近海種であれば、室内なら特に保温なしでも問題ない。

 

ガラス面に生えたコケや餌の残滓を食べてくれるので重宝する。

 

フグの類やヒトデのような貝を捕食する生き物とは飼えない。

 

また、ごく稀にイモガイが出回る。この仲間は危険を感じると猛毒を持った銛のようなトゲで攻撃してくる。この毒はヒトが死ぬことがあるほど強力なので特に注意が必要。よほど好きでなければ手を出すような生き物ではない。

 

シャコの類

 

寿司屋で見るくらいしかなさそうなシャコもアクアリウムをやっていると意外とよく見かけるものだ。

 

シャコの仲間は、力強く固い脚を持っている。時に水槽を叩き割ったり不用意に触れようとするとつめを叩き割られることもあるという。

 

シャコの飼い方はエビとさして変わらない。多くの種が大抵の人工餌に餌付く。

 

 

クラゲの類

 

クラゲの飼育に当たって先ず工夫が必要なのは濾過装置だ。

強い水流が起きず、なおかつ水を泡立てないような工夫が必要だ。もしエアーレーションなどしようものなら、かさに空気が溜まり浮かんで身動きが取れなくなってしまう。

 

水中フィルターを使う例が多いが、器具のページで書いたとおり濾過容積があまりに少ない。

 

そこで底面式フィルターを使うといい。

ただし、そのまま使うのではなく立ち上がりパイプの周りに太いパイプを置き、そのパイプの水底近くに穴を開け何か網を付けておけばいい。

あるいは、立ち上がりパイプを樹脂製の網で作った太い筒で包むという手もある。

 

もう一つはオーバーフローをつけ、砂を敷かずにパイプフィルターの水を水面に向かって流すという手もある。これならブラインシュリンプが比較的長い時間水中を漂うので、次に書くような給仕の工夫が要らなくなる。

 

厄介なのが餌だ。クラゲは主にプランクトンを食べるので、ブラインシュリンプを与えればいいのだが、ただ水槽に放り込んでも殆どが濾過槽に引っかかりゴミになるだけだ。そこで、クラゲをボールなどに取り、そこへブラインシュリンプをばら撒く。こうすればロスが少なく、効率的に餌を与えられなおかつ水も汚れにくくなる。

 

ただし非常に面倒だ。

 

また、基本的に魚類と一緒に飼わない。大抵突っつかれて寿命を縮めるだけだ。

 

とにかく給餌が面倒だが、十年位前に聞いた話でタコクラゲが半年以上持つらしい。

今なら、冷凍ブラインシュリンプも栄養を色々添加されているので、なお買いやすくはなっているから、もっと長寿を狙えるだろう。

 

なお、サカサクラゲやミズクラゲの類は全く同じ方法で飼育できる。

クラゲの類は一つのポリープから生まれたものはクローンと同じなので、同居させても傷つけあうことはないが、違う種などには毒手を絡めることがあるので混泳は避ける。

 

ナマコの類

 

ナマコの類は鮮やかなものもいて、水槽内を這い回るアクセサリー感覚で入れられることもある。

 

腸を水中に展開してプランクトンをかき集めるものや、砂の中の堆積物に溜まる微生物を漁るものがいる。

 

特に餌を与える必要はないが、必ず設置してからかなりの期間をおき、微生物が充分湧き、水質の安定した環境で飼う。

 

また、ヒトデ同様弱るとサポニン毒を出すので弱った個体や死骸を見つけたらすぐに取り出す。

 

 

グゾクムシ

 

この類最大種のダイオウグソクムシが水族館で五年もの絶食に耐えていると2012年にニュースになっている。

 

ダンゴ虫に近い生き物で、個人的にはかなり不気味。深海に棲み、腐肉などを漁る食性だ。

 

従って、低温での飼育が必須だ。餌には魚の切り身などを与える。

 

ここからは推測なのだが、件の絶食している個体はひょっとしたら水槽内にほうり込まれた魚の死骸によって殖えたバクテリアなどを食べているのではなかろうか?

 

そうでなくては、あまりに長い期間絶食しているにもかかわらず体重が碌に減らないことに説明がつかない。