熱帯魚図鑑

日本淡水魚

日本淡水魚

 

 

日本産の淡水魚という随分大雑把な括りだが、外国産の熱帯魚・人工的な金魚・熱帯の海水魚と区別するときに使う。

 

熱帯の淡水魚といっても、成長過程や寄生虫を落とすためなどの目的で一時的に汽水域に侵入したフグやウツボなどを含んだりするように「日本」という各島にいるものも含む。書籍によっては琉球列島などに移植されたアーチャーフィッシュ・グッピー・スキャットファーガスなどの「熱帯魚」として扱われるものや食用に持ち込まれた中国産の四大家魚と呼ばれるコイなども含まれてくる。

 

メダカも間違いなく日本淡水魚に含まれるべきだが、近年やたら多くの品種が作出されるようになり、その多様化には目を見張るものがある。

よって、メダカに関しては「改良メダカ」のページで紹介してゆく。

 

日本には多くの固有種があり、日本淡水魚の種類は非常に多い。

しかし細かい分類にまで目を向けると意外とよく知られている熱帯魚の近縁種のものもある。

特別天然記念物のアユモドキはボティアの仲間で、クラウンローチが有名な種であり。

 

~モロコと呼ばれるものの一部はバルブス亜科で、熱帯魚のチェリーバルブなどのバルブ類と近縁であったり。

 

ギギは、東南アジアのミスタスと近縁であったりする。

 

飼育に当たって、この種は高水温に気をつけなければならないとか、そういった注意が要るものもあるが、基本は熱帯魚と同じである。

 

 

 

 

 

 

ホトケドジョウ 

 

全長は6cmほどで、青森を除く東日本と、四国に分布している。

ドジョウと付くが、マドジョウやカラドジョウとは違いフクドジョウ亞科に属するため若干性質が異なる。

どちらかというと、チャイナバタフライやボルネオプレコで知られるタニノボリの仲間に近い。水温の設定はこれに準じる。

 

本来の生息地は、湧水地などの砂泥に住む。

そのために高水温に弱く、適温は18~23度という熱帯魚から比べるとかなり低い温度で飼育することになる。

こういった水場は比較的酸素濃度が高いので、マドジョウと同じように夏場に日にさらされた盥に水を張っただけというような環境ではすぐに死ぬ。

それでなくとも酸欠に弱く、よく鰓の病にかかる。

 

このことを除けば比較的飼いやすく、温度以外の条件は一般的な熱帯魚と同じよう飼育環境でも問題はない。

 

繁殖には砂を敷いた水槽にウィローモスを繁茂させて、よく成熟したペア56匹放しておく。するとそのうちに産卵していることが多いので、インフゾリアやブラインシュリンプなどを与える。本来の食性から別記する「ヘドロブリーディングが向いているとも考えられる。

 

このときに使うフィルターはヘドロを放り込むことも視野に入れるとチュチェフィルターか、あるいは、タッパーなどにいれた。底面式フィルターがいいだろう。

 

 

ドジョウ

 

ハス 琵琶湖水系の固有種で数少ない魚食性のコイ。もっとも現在では、放流用のアユの稚魚に混じって全国にひろがっているが数は少ない。

 

オイカワを縦方向に伸ばして、口を「へ」の字にしたような感じの魚である。

コイの類の口には歯がないので、このへの字に曲がった口が捕食に役立つ。

まっすぐに顎を当てないで、斜めから当てることによって強く獲物を押さえつけて逃げられないようにして飲み込む。

ちょうどギロチンが改良される前の水平な刃では性能が悪く、ルイ16世のように太っている人を処刑するとき切断できなかったのが、改良されて歯を斜めに当てるようになると、失敗が少なくなったようなものだ。

 

飼育に関しては、人工餌への餌付けは難しい。大きさに合わせて、メダカ・金魚などの活き餌や、冷凍した小魚を一匹づつ落として与える。

 

また、高温酸欠に弱く、若干の水流を好む。

姿が似ているからといって、オイカワを飼うような感覚では、まず飼うのは難しい。滅多に売ってないので、病気さえなければ見つけたときが買い時。

 

チョウセンブナ 中国の長江以北から朝鮮半島に分布するアナバスの仲間。昭和時代に日本に持ち込まれた。外来魚だが、持ち込まれた日本では絶滅危惧種となっている。

かつては西日本の水田ではよく見かけられたようだが、現在は岡山がその生息地として知られる。それ以外は壊滅的らしい。

そのためタイワンキンギョに比べると高価で、仕入先にもよるが「1000円以上の値をつけないとやってられっか!!」という事態もままある。

そもそも置いてあることが少ない比較的珍しい種類。

 

比較的寒冷な土地に住むアナバスで、日本でもよほどの北国でもなければ屋外で越冬できる。ただし氷が張らないようにしておかないと溺死する。

保温をネックと考えるなら最も買いやすいアナバス類の一つ。

 

近縁のタイワンキンギョと繁殖方法も全く同じ。雌雄の判別は比較的容易で夏にペアを屋外に出して水温が上がり過ぎない程度に日に当てて、浮き草を入れておけばそのうち巣をつくり産卵する。稚魚が泳ぎだしたら親だけを取り出す。稚魚にはブラインシュリンプすら大きすぎて食べられない。そこでインフゾリアを涌かせてやったり、ゆで卵の黄身をネットで濾した物などを与える。

 

また、タイワンキンギョ同様プスドモナスフロリッサンスによる赤斑症にかかりやすいのでこれだけは持ち込まないように気をつける。

 

 

 

 

 

 

中国四大家魚 以下に挙げるアオウオ・ソウギョ・ハクレン・コクレンの四種は、中国四大家魚と呼ばれる中国産のコイの仲間である。

それぞれ食性が異なるため、一つの池で効率よく養殖ができるので食用化を期

して輸入された。

して、明治から昭和にかけて何度も輸入された。

 

ソウギョが放り込まれた雑草を食べ、その糞をタニシがあさる、そのタニシをアオウオが食べ、富養化した水では植物プランクトンと動物プランクトンが発生し植物プランクトンをハクレンが食べ、動物プランクトンをコクレンが食べる。

実によくできた養殖方法だ。

 

 

各地に分布して日本の貴重な蛋白源になるはずだったが・・・

ハクレン・コクレンは繁殖に必要な長距離の河川が利根川以外なく、広まらなかった。アオウオは霞ヶ浦などでわずかに見つかる程度で、幻の大魚扱いされている。

まともに広がったのはソウギョぐらいだ。

 

アオウオ

 

ソウギョ

 

 

ハクレン 中国四大家魚の一つ。ただしこれも、水草を駆除の目的で改めて導入したはいいが、水草が減りすぎてほかの生物が減少してしまったという間抜けな話がある。草食だけに、DONKYだけじゃなくてSOUGYOかCAOYUIも地域限定で間抜けの代名詞にしようぜ。

 

アオウオ この中でもっとも巨大化し、1,5mにも達する。タニシなどの貝類を主食とする。飼育に当たってはとにかく大きい飼育容器を用意すること。

食性から察するに比較的高たんぱくな餌が求められる。コイ用の餌だけでなく、

時折肉食魚用のペレットも併用するといいだろう。

 

ソウギョ この中で最も飼育しやすい。水草や流された雑草などの植物を主食とする。通常はコイ用のペレットを与えていれば問題ないが時折水草を与える。

これも大きいものでは1mを超える。

アルビノの個体もよく販売されている。

アルビノの大型個体はなかなか圧巻。

 

 

ハクレン

 

ハクレンは植物性プランクトンを主食とする。このため給餌には気を使う。鯉の餌などをミキサーで砕き粉末にしたものを水で練って団子にする。これを網に入れて飼育容器の縁に固定しておく。すると溶け出したものをハクレンがこしとって食べるというわけだ。

 

コクレンともども利根川でジャンプする光景が見られることからもわかるように、飛び出しには特に気をつける。また北米には長い河川が多くあり、ここでは大繁殖したので有害魚の一つとして扱われている。密集している群れの近くでモータボートなど動かそうものなら驚いていっせいにジャンプする。この魚にぶつかり怪我をする人が絶えないのでボートに金網をつけるほどだ。

 

2010年ごろだったか中国の工場でメタノールが垂れ流しになってしまうという事故だか事件がおきた。このとき近くの養魚場でハクレンが全滅して業者が泣いている写真が公開された。ハクレンは白身魚で、よく練り物にされる。中国製の食品などで練り物などに姿を変えて日本に輸入されていて、案外食べたことのある魚なのかもしれない。

 

ハクレンの腹膜は黒い。これは食べたプランクトンが腹の中で光合成されてると、空気がたまってひっくり返ってしまうので、光を遮断してこの現象を防ぐためだと考えられている。

見かけによらず腹黒い人のことを「サヨリのような人だ」とか言う言い回しがあるが、サヨリも同じ理屈で体を守っているのであろう。

 

 

コクレン

 

ハクレンとは異なり動物性プランクトンを食べる。飼育においては基本的にハクレンと同じだが、指でつぶしてこまかくしたフレークフードに慣れることがあるので、ハクレンよりは飼いやすい。

ただし、数がそもそも少なく、ハクレンの5倍以上の値段が付き、なかなか売っていないので買いにくい。

極端に状態が悪くなければ見つけたときが買時。

 

 

ナマズ 日本にはナマズ・イワトコナマズ・ビワコオオナマズの三種がいる。

ナマズを釣るにはぽかん釣りと呼ばれる生きたかえるに針を仕込み、夕暮れ時から夜にかけて、水面をたたきつけるように音をたててひきつけて釣り上げるのが古くからの手法だが、現在ではルアーに取って代わられている。

 

埼玉の吉川の名物がナマズ料理で、非常においしく一度その蒲焼を食べたら「うなぎなんか食いもんじゃねえ」というくらいにうまかった。いわんや薄っぺらい中国産のタウナギなどはナマズの足元にも及ばない。

2000年ごろに吉川のナマズ料理屋で生簀にストックされているのを見せてもらったが、このときはチャンネルキャットの方が多かったくらいだ。

 

しかし、幼魚のころには共食いが激しい。そのため養殖は採算が合わず、殆どなされていない。

そのためチャンネルキャットという北米にすむナマズにそのシェアを奪われてしまった、外来生物法が施行された以降は現在料亭でどうストックしているのか不明。チャンネルキャットを使った場合では、冷凍とか冷蔵になってるだろうから、明らかに鮮度が落ちて以前よりはおいしくなくなっているだろう。

外来生物法もこんなところで落とし穴がある。

 

また、幼魚のころは髭が6本あり、成長すると4本になる。

 

飼育に関しては、少数を飼い、餌を充分に与えている場合ではあまり共食いをしない。20cmを越えたあたりからはまず起きない。

餌は、飼育し始めたころは個体の大きさによって赤虫・メダカ・金魚などで餌付け、徐々に人工餌に慣らす。

 

皮膚が弱いので、スレ傷からの細菌感染や、赤斑病を防ぐ意味でもなるべく粘膜保護剤の類は入れておいたほうがいい。

 

導入直後は最低でもアクリノールくらい入れて、傷からの細菌感染を防ぐことが肝要である。

 

落ち着くまでは白点病を防ぐ意味でも、冬屋外で飼育されていたものを移してきたとか、極端な温度差がない限りは28度前後にして、スレ傷の直りを早くして、食欲を増進して、早めに体力を取り戻させたほうが良い。

早く環境に慣れさせるためにも、岩や流木あるいは塩ビ管などで隠れ場所を用意してやる。また、フィルターは砂利をかき回してしまうので当然普通の底面四季フィルターは向かない。このあたりのことは熱帯魚のナマズ 大型ナマズの飼育 に準じる。

 

性質が荒いところがあり、混泳にはあまり向かない。ただし、混泳の難しさに定評のあるクララと数年以上混泳させた実績はある。いかに過密にして、いかに隠れ場所を多くするかが混泳成功の鍵だが、もちろん余計に管理に気を遣うことにはなってしまう。

 

水槽の大きさは、ナマズ自身が60cm程度の大きさになることから、90cm×45cm×45cmほどのものは欲しい。

 

ビワコオオナマズ・イワトコナマズはどちらも琵琶湖水系の固有種で、基本的な飼育方法は変わらない。ただし、水槽の大きさはボワコオオナマズではナマズが本来120cm程度にまでなることから、横幅180cm奥行き60cm高さ60cmぐらいのものを用意したほうが良い。

 

ここでナマズと一括りにしたものは水槽のサイズ以外はヨーロッパオオナマズにも該当し、温度を熱帯魚に適したものに合わせればバービャウ・ワラゴアッツーなど似たような種類のナマズにも使える方法である。

 

タナゴ タナゴには多くの種類がいて、今熱帯魚屋でもっとも多く見かけるものは中国から輸入されるタイリクバラタナゴだろう。そのほかにも日本には以下の種類がいる

 

タナゴ属に

          タナゴ ・イタセンパラ ・ゼニタナゴ ・イチモンジタナゴ 

・オオタナゴ・カネヒラ

 

 

バラタナゴ属にバラタナゴ・ガゼトゲタナゴ・スイゲンゼニタナゴ

 

アブラボテの仲間に・アブラボテ・ミヤコタナゴ・ヤリタナゴ

 

などがいる。

 

タナゴは鱮と書く。魚の仲間(與のうちで与党などというときの用法)という解釈か?また、イタセンパラは板鮮腹と書き、薄っぺらい体に鮮やかな色が乗ることを表している。

 

イタセンパラ ミヤコタナゴは天然記念物なので、一切採集飼育等はできない。

淀川水系や関東の水田付近でタナゴ探しをするときは捕まえないように要注意。

 

眼球の白目のところが赤く色づいているのがオス・赤くないのがメスで、婚姻色を出していないときでも判別は可能。

 

飼育に当たっては特に難しいことはない。よって特に書くことがない。

 

繁殖に関してはカラスガイ・ドブガイなどの二枚貝に輸卵管を使って卵を産み付けて繁殖するので、カラスガイなどを一緒に入れておかないと、そのほかどんなに条件を整えても繁殖できない。タナゴの飼育は簡単だが、貝も一緒となると、話は変わってくる。

 

これらの貝は砂に潜るので、砂利ではいけない。そこで、水槽の半分に砂利を敷き底面フィルターを使い半分をレンガなどで仕切って砂を敷く。

また、貝にも餌を与える必要がある。

「何だプランクトンを食べるなら、粉餌でも撒いとけば充分じゃないか!!」

と思われるだろうが、そんなに簡単ではない。一見貝が糞をしてるかと思ったら、それは偽糞という消化できなかったものをただ排泄してるだけでした。なんてことは良くある。そこで二枚貝専用フードを使う。これも見た目は粉餌と変わらないが中身や粒子の大きさが桁違いに小さい。

これを水に溶かして、貝の給水口の近くにピペットなどで撒いてやる。

はっきり言ってすごくめんどくさい。

 

最近は繁殖もされていて、カネヒラなどは、青みの強いブルーカネヒラのような改良種も盛んに作出されてきている。