熱帯魚図鑑

魚病対策

 

改訂版 魚病の対策について

 

序 

 

金魚の飼育に始まり20余年、熱帯魚の飼育は2013年でついに20年になった。

 

そういうわけで、いろいろと病気を出したり持ち込んだりしてきた。ここに30余種の魚病を挙げるが、まだまだ未知の病気も多く、なによりすべての病気を出しわけでもない。

 

たとえば、90年代に流行ったディスカスエイズなどは、そもそもディスカスを買うときはこの病気を警戒して必ず1週間はとり置きして貰ってから買っていた。この病気に関しては、こうやって予防線を張っておけばそう持ち込むようなものでもない。

 

こんな具合で、出したことのない、つまりは治療したことのない病気に関しては当然書けることが少なくなっていく。

白点病の項目がやたら長いが、ヘルペスなどはやたら短いというものもある。

とかいいつつ、2013年にヘルペスらしきものが上陸したので、ついにここも長くなった。長くやっていると色々見てやなもんだね。

 

 

また、生薬や食品・医薬品を使った治療方法も紹介している。

どんな病でも、早期発見早期処置が治療の鍵となる。必要な薬品が近隣になく、取り寄せるまで、何もできないという状態を極力避けられるようにしたいという配慮である。

商品として効能をうたわれているが、それを確認できていないものも多数ある。

効能書きを信じて記事にしたものや実体験や、成分的にこれはほぼ間違いなく効くであろうというものも含んでいる。

 

よって、実行と、その結果は全て自己責任で。特にここの記事に関してのクレーム・意見は一切受け付けません。文中で断定形だったからとか、そういうのも受け付けません。

ただし、うまくいったとか、どういう過程でうまくいかなかったというデータは大歓迎です。

 

あ、このページは見ての通り

 

今回の目玉?改訂に当たって

ところで、2013年9月ごろからちまちまと書いているが、この一年ほどで、こんなことがあった・・・

 

何度も同じ人から白点病の治療方法聞かれてて、完治させたらまたかかったというのを繰り返していて、よくよく聞いたら超過密飼育でしたなんて事例を見たら、誰だって予防方法から書きたくなるだろ?

 

そういうわけで、根治から書きたくなったわけだ。

 

更に、こちらでも金魚ヘルペスの強襲・松かさを撃退する秘薬の試作品完成など魚病の治療した物の数が若干増えたりした。

 

俄然治療術について熱が出た!!そこへ持ってきて、個体ごとの分量の調整とかいう要素や生薬の応用など東洋医学的な要素まで。

 

鉄は熱いうちに打てだ、今書かなければきっとめんどくさくて重大な誤植の訂正すらしないだろう。

 

そんなこんなで、大幅に書き足してたら5,000文字くらいがあっという間に増えた。

 

 

この文をまとめていて気づいたんだが、東洋医学とか出てきて、西洋嫌いの自分としては急にやる気が出てきた!!

 

やる気が出るのって、普通は結構なことなんだろうけど、それにしても動機が不純だ。

 

 

薬品の使用方針に関しての注意

どんな薬品でも、量を間違えれば毒になる。

「クスリはリスク」ともいうが、全くもってその通り。

いくら成分的に微弱な薬品でも下手な組み合わせをしたりすれば、規定量で入れたとしても薬液の濃度が恐ろしいことになっていたり、化学変化を起こして毒物になったり、バクテリアが全滅して酸欠になって死ぬということもある。   

 

例えば、塩は大抵の薬品と併用できるが、ホルマリンなど一部の薬品とは組めない。

基本的には使うときは一点ずつ、複数の病気を発症したときでも重篤なものなど厄介なものから一つずつ攻略していく。

 

ただし、組めるものは組んでやってしまったほうがいい場合もある。

 

やたらめったに使えばいいというものでもないということだ。

 

 

魚類の飼育で使いうる薬品

ただし、商品名でなく成分名で書いていく。各社で似たような成分や組み合わせで同じようなものを出しているので、書いていくときりがなくなる。

 

どの商品が何に効くという覚え方ではなく、何の成分が何に効くという風に理解したほうが早い。

 

一応成分の後ろに、それが入っている代表的な薬品名を追記する。

 

たとえば、魚と水草のいる水槽で、白点病を治療しようとしたら、マラカイトグリーンを使うのが常道となるわけだが、マラカイトグリーン溶液はアグテンとヒコサンという商品が出ている。それらに成分表示にあるマラカイトグリーンというのを覚えていれば、この二つはすぐにわかるし、最近出たマラカイトグリーンとアクリノールを組み合わせたものが初見でよくわからなかったとしても、成分で何に効くのかすぐにわかってしまう。

 

以下に病名とそれに効力のある薬品の対照表を示そうと思っていたのだが、やはりこれはこれ、アレはアレだと、記事をよく読まずに治療開始する人が絶対出てきそうだ。そういうのに限って「クレームは受け付けないし実行した責任もそちらに帰す」という注意を無視したりする。

(桃井かおり風に)「世の中お利巧ちゃんが多くて困りません?」

となるわけだ。

 

そして何より図表を作るのがめんどくさくなったのでやめた

 

使用の際は、各記事にしっかり目を通した上で活用してください。

最初に書いたけど、助言はしても実行に関しては全て自己責任で。

 

あちこちにイソジンの効能を書いたが、イソジンはかなり強い薬であると同時に水中に浮遊している有機物の量によって使用量が変動するので細心の注意が必要だ。

 

とりあえず医療費がめちゃんこ高いという某国におけるアスピリンのような感覚で使われるのはよろしくない。

 

どの薬剤も、基本的にバクテリアを殺すので、感染力が強く、すぐにでも投与すべき病以外では使用をできる限り控える。

 

次に使いうるさまざまな薬品の入手ルートを示す。何も熱帯魚屋だけを使うのが能じゃない。

動物医薬品を置いている熱帯魚店などで購入可能なもの

 

    メチレンブルー 市販薬 メチレンブルー水溶液 グリーンF

    マラカイトグリーン 市販薬 アグテン ヒコサン

    ニトロフラゾン 市販薬 エルバージュ

    トリクロルホン マゾテン リフィッシュ

    スルファジメトキシン等抗生物質 市販薬 グリーンFゴールド 

    硫酸銅など銅イオンを用いたもの 銅イオンコンディショナー 八洲薬品で出してた白点病治療薬。これはすごいぞ。硫酸銅・メチレンブルー・マラカイトグリーン確かアクリノールという薬品の坩堝ともいうべきものだ。よく効いた覚えはある。

 

 

    オキソリン酸 グリーンFゴールドリキッド パラザン

    過酸化水素 名前は覚えてないが海外製の薬品

 

一般的に、観賞魚用の特例医薬品として、薬剤師や登録販売士の免許がなくとも扱えるものの殆どは、ここに挙げたものを組み合わせて、精製水やそのほかの添加物を加えて作られている。

 

 

通常薬局で販売しているもの

 

・アクリノール    ・過酸化水素  ・イソジン

 

 

試薬などの取り扱いのある薬局で手に入るもの

 

・トリクロルホン ・メチレンブルー ・マラカイトグリーン 

・アクリノール  ・硫酸キニーネ  ・塩酸キニーネ

・過マンガン酸カリウム ・ホルマリン・過酸化水素

・二酸化塩素   ・ポピドンヨード ・硫酸銅

    塩化ナトリウム ・オキソリン酸  

・スルファジメトキシン等の抗生物質

・ウルソデオキシコール酸

・ヨウ化カリウム?

 

漢方薬の取り扱いがあれば南天や熊胆もここに入るかも

 

硫酸キニーネや塩酸キニーネは殆どネタ。

大昔の治療方法だ。マラリアの特効薬だから、地球温暖化で日本が熱帯になってマラリアが大流行したときに使える?

ああ、今から用意したらいざ使うころには風化してるかw

 

この中ではオキソリン酸が超高級品。試薬で10gで15000円が定価だった。オキソリン酸を使った市販薬がやたら高いのも納得。池ではとても使う気にならないほど高価。

次が多分アクリノール、25g6000円なり。ものすごく安定した薬品なので結構高いのもそれなりに納得。

 

塩酸キニーネもかなり効果は高く高価なもので、25gで8,000円もしていた。

 

また最近、海水の特定の成分を強化して白点病の治療をしてしまうという商品が出てきた。わけがわからないが、ひょっとしたらヨウ化カリウム辺りではないかと思い加えてみた。良くわからないので「?」を付けてみた。ただ、もしそうだとしたら、沃素の枯渇した水槽で使う場合はかなり注意が必要だ。

 

スーパーやコンビニなどで手に入るもの

 

・大蒜 ・山葵 ・唐辛子 ・ココア ・塩化ナトリウム

 

殺菌作用が強く民間治療的に使われているもの。

大蒜はやったらめちゃくちゃ効いたので挙げてみた。

ただし臭いがとんでもないことになる。

 

毒性が強く特に取り扱いそのものに注意が必要なもの

マラカイトグリーン 海水にも使えて便利なメチレンブルーのようなイメージで使うなら非常に危険だ。マラカイトグリーンがなぜ病原菌に効くのかといえば、細胞を染色しまくってその中で活性酸素を作り出し一瞬でがんにして殺してしまうようなものだからだ。魚が死なないのは、多細胞な生き物だからあまり影響を受けないから。

いくら影響が少ないからとはいっても、マラカイトグリーンを使用された中国産うなぎが偽装されて食卓に並び大騒ぎした事例を見ればわかるように、毒性は非常に強い。

よって、メチレンブルーと同じように使えるような言い方をしてくるところは要注意だ。手に生傷のあるときにこんなものの水溶液に触れるなど無用心極まりない。ただし、色が消えてれば問題ない。色が消えた後は、白点病の「虫一つ殺せない抜け殻」になってしまう。

それにしても、パッケージに注意書きもなしに売るなど、アメリカでやったら訴訟物ではないか?金さえ出せば売ることができるという現行の体制に一番不満があるのがこの薬品だ。不満どころか呆れてものも言えない。

 

なに?普通に売っているから、ここまで危険だなんて信用できないと?

それなら、マラカイトグリーン粉末が下唇に飛んだときに出来たチャーミング?ホクロをどう説明してくれるというのかね?

 

・過マンガン酸カリウム 大抵どこの養魚場も持っているであろう白雲病の特効薬。純粋なグリセリンに触れると吹っ飛ぶんで要注意!!・・・って、純粋なグリセリンなんて誰も持ってやせんか。

ちなみにこいつは強烈な酸化剤で、粉末のときに盛大に触れると化学やけどをするので注意。もっと注意してほしいのはその酸化作用からコカインを精製するときに使うので特定向精神薬原料になっていること。とことんどうしようもないバカに盗まれて悪用されないように保管には細心の注意が必要。とことんどうしようもないバカならコカインの精製など出来ないかと思うが念のため。

 

・ホルマリン 動物の標本作りによく使われるが、寄生虫の駆除にも使う。しかし、うっかり蒸気を吸ったら、寄生虫の細胞を固定するどころかこっちが固定される。常温で揮発した蒸気を一瞬吸っただけでも、かなりむせび、鼻やのどがしばらく痛むほどなので、取り扱いは慎重に。

また、環境への影響もあることから、どうしても必要なとき以外は濫用しないこと。

 

 

・硫酸銅 なんだか懐かしい響きの薬品。再結晶の実験はいい思い出。サファイヤより硫酸銅のほうが綺麗だと思う。かなり毒性が強い。

水気が完全になくなると白い粉末になる。

毒性は強いものの極微量が食品添加物や動物の餌に入っている。

エンゼル色揚げとか、鶏の餌で確認。

 

これらの薬品、特に粉末をいじくるときは必ず手袋と簡素でもいいのでマスクを着用してから。

ほかの薬品にも同じことが言える。アクリノールやイソジンのようなものは問題ないが。

 

各薬品の標準的な使用量と注意

・メチレンブルー 5gを1リットルの水に溶かした溶液が1ccに付き水10リットル分。

毒性は低いものの水草が枯れる。水槽の縁のシリコンを青く染めてしまう。

 

・マラカイトグリーン 0,5gを水に溶かした溶液が1ccに付き水10リットル分。また、日光で分解するので屋外飼育の場合投薬は夕方以降に。水草や無脊椎動物にほとんど影響を与えないので比較的安心して使えるものの魚毒性はメチレンブルーの20倍で、ヒトに対しても毒性があるので取り扱いに注意する。

 

・ニトロフラゾン 0,6gで水80リットル。フラン剤は吸収が良いので投与量厳守。また、日光で分解するので屋外飼育の場合投薬は夕方以降に。

モナフラシンやフラネースのようなフラン剤はおおむね同じような性質なので日光にさらさないようにする。水草に絶大な影響を与える。

 

 

・アクリノール 0,1gで水600リットル。少々高いが、溶液にしておいてもあまり劣化しないので非常に使いやすい。また、日光にあたっても効果が持続しやすい。

水草は枯れてしまう。ウィローモスなどの超強健種では耐えることがある。

 

・トリクロルホン 水1tに対し0,5g不純物が多い水では、不純物と化合して菌を駆逐できないので、必ず水を換えてから使う。

また、有機リンを使った薬剤なので使用量を厳守する。

PH8,5以上のアルカリ性の水では毒性が増すので使用厳禁。必ずPHの低い水に用いる。なお、古い飼育書でディプレックスとかディプテレックスという名前で載っているものはこのトリクロルホンにメタノールを添加した農薬で、メタノールが入っている分安全性は低い。トリクロルホンの配合された市販薬はあるのでこれを使うのがいい。

この農薬を飲んで自殺を図ったという事例があるので、使用量は特に間違えないように注意する。

 

イカリムシやウオジラミのほかにも、ヤゴなどの害虫も駆除できるのでメダカなどを屋外飼育する際はぜひ持っていたい一品。ただしエビやカニがいるところでは使えない。裏を返せば六つ脚の生物の駆除にもつかえるということだ。具体的にいうと、秋に屋外の金魚やメダカの飼育容器にヤゴが発生して手に負えないという場合などにも絶大な効果を発揮する。

 

・スルファジメトキシンナトリウム 水1tに対して0,7g。単体ではまず手に入らない。

 

・硫酸銅 1gの硫酸銅を2リットルの水に溶かしたものが1ccで1リットル分。銅銅イオンの濃度はさがっても銅そのものの濃度はあがり続けるので、投薬量注意。無脊椎動物や水草・海藻のある環境では使えない。

水槽で使う場合は微量なので、影響は出にくいが環境にはよろしくない。使用後は可能な限り大量の水で薄めて廃棄する。使わなくなったものは専門業者に処理してもらう。

 

・オキソリン酸 5gを1tの水で溶解する。水草のある環境でも使える。

 

・ココア 水10リットルに付き1g ただし砂糖などの含まれていないものを使う。使用している間は最低でも毎日一度水を換え、絶食させる。特に金魚などベントス食性の魚類では、沈殿したココア粉末を食べさせてしい体内からの摂取を期す意味でも絶食は有効となる。水をよく汚すので少々面倒だが、害をあまり出さずに治療できるので魅力的。漢方的な言い方だと上品に部類されるのか?

 

・塩化ナトリウム 水1リットルに付き2~8g魚の種類・体力と相談で濃度を変える。通常は7gを上限とするが、カラムナリスに感染したときに限っては8gで使う。5g以上の濃度はかなり濃いので、こういった場合は飽和水溶液をゆっくりと滴下してやる。これまた先ず害を出さずに、大抵の病気の初期の治療、あるいは治療の補助に役立つ。

 

 

・硫酸キニーネおよび塩酸キニーネ 1gで水100リットル。水に溶けにくいので、お湯でといてから使う。白点病の特効薬となる。塩酸キニーネのほうが溶けやすく使いやすい。

 

・過マンガン酸カリウム 1tに付き2,5g 不純物が多い水では、不純物と化合して菌を駆逐できないので、必ず水を換えてから使う。また、24時間以内に全換水する。怪しい赤紫色になるので魔女水と勝手に呼んでいる。保管には注意する。また、使用済みの液を廃棄する時は、泥などと混ぜ不純物と結合させ効果をなくしてから棄てる。

 

・ホルマリン 4000倍に薄めたものが、30分程度の短時間薬浴に使う溶液となる。24時間ほど続ける場合は10リットルに付き1ml。

環境に悪影響を与えるので濫用厳禁。塩との併用も厳禁。廃棄する際は最低でも大量の水を流しながら出来るだけ薄めて少量ずつ棄てる。未使用のものは人のいない屋外などで蒸発させてしまうなり専門業者に引き取ってもらうなどする。危険で環境にもよくないものなので濫用してはいけない。

 

 

・過酸化水素水 3%程度の濃度のオキシドールで10リットルに付き5ml

1時間程度の薬浴。当然過酸化水素水と呼ぶ時はこの10分の1の量で使う。

不純物が多い水では、不純物と化合して菌を駆逐できないので、必ず水を換えてから使う。未使用のものを廃棄するときは表面積の多い容器にあけ、過酸化水素を飛ばしてしまう。

あまり長く保管してると過酸化水素自体が飛んでいることもある。保管も使用もめんどくさいが、水草があっても使える。

 

 

・二酸化塩素 25ppmに薄める。100mlに1g溶かして、その溶液2,5ccを1リットルの水に溶かすとおおむね25ppmになる。あまりなじみのない薬名だが、クレベリンと聞けばよくCMもやっているので聞いたこともあるだろう。ただしクレベリンは界面活性剤が入っているので使えない。

これ単独では見つからなかったのでどうやって手に入れるか検討中。

 

・イソジン 水1リットルに対して4~5滴の場合は、15分から20分程度の短時間薬浴に使う。水10リットルに対して4~5滴の場合は永久浴に使う。

不純物が多い水では、不純物と化合して菌を駆逐できないので、必ず水を換えてから使う。また、体長10cmを超えるような比較的大きなものになってくるとイソジンの毒性にも強くなる。こういうものを短時間薬浴する場合に限っては量を1,5倍ほどに増やしても差し支えない。

 

また、海水魚で薬浴に使う場合には注意が要る。モナコ式など換水をせず水質を維持する水槽でサンゴとかもなく沃素の添加がされていない水槽では沃素が使い果たされていることがある。こういったところにいる魚にいきなり沃素消毒を行うと沃素濃度の上昇についてこられず、ショック死する場合がある。

 

・大蒜 2かけほどを摩り下ろしたものを水200リットルに使う。

 

・塩化カリウムと塩化カルシウム 塩化ナトリウムと組み合わせて、浸透圧調整に使う。ただし、そう簡単には手に入らないはずだし、この調合は結構面倒。

 

 

殆どの薬品にいえることだが、基本的に投与している間照明は落とし、できれば日光も入らないように遮光する。そうでもなければ、どんどん光で分解されてしまう薬品が多い。

 

 

各種魚病簡介  

 

ちなみに、振ってある番号は、そのうち症状から病気を探す時のリストを作ろうと思っているので、その時のための布石。なのでリストを作るまで特に意味はない。

 

 

最初に言っておく

海水魚で圧倒的に多い症状なので、淡水魚の病気を調べている時は飛ばしてもいいかも・・・

 

そもそも、治療すら出来ない病気以前の問題になる症状がある。

それは薬害だ。これを恨むなら某夢の島の近くにある夢の国を恨んでくれ。

そこで作られたキャラクターが出てからというもの、薬品をばら撒いて浮かび上がった魚を拾い集めるという採集方法が取られるようになった。

 

食卓でお馴染みのある植物を使って魚を痺れさせて取ったりするのよりよっぽどたちの悪い採集方法だ。

ソマリアの沿海に放射性廃棄物を棄てる西洋人と何も変わらない方法だ。

 

こんな方法で採集された魚が無事なわけがない。海水魚を飼い始めたのは8歳の時に捕らえたオヤビッチャとそれと混泳させるために買ったミスジリュウキュウスズメなのだが、正直これらを飼い始めた後に海水魚を殖やした頃。すなわち1994年ごろは淡水魚が乱雑に扱われてさまざまな伝染病が出ていたのだが、この頃は海水魚の飼育が簡単に感じられた。道具も技術もないはずなのになぜ?

答えは簡単だ。魚が丈夫だったからだ。

アケボノチョウやトゲチョウなんぞ小学生でも当たり前に飼えたような代物だった。いわんやテンジクダイの仲間など、金魚を飼うような感覚だった。

 

それが2002年ごろ、すなわち自分が高校生だった頃うなっているかというと、トゲチョウは輸送が難しいという話を耳にするわ、とにかくチョウチョウウオの類の餌付けが出来なくなるわ、碌なことがなかった。まだマシだったのはアマノガワテンジクダイがまだ高価だったからか、まともな状態で輸入されていたことくらいか?

そうそう、この頃からイソギンチャクが急激に弱くなったと聞いている。

 

原因は先に書いたとおりだ。

多少高価になってしまうが、安全な状態で採集輸送された個体を買うに限る。

 

もし買った個体がやたら弱い時は、薬物採集を疑ってしまってもいいだろう。こうなったら大抵立て直せない。

 

1・白点病 

 

生き物がいるような水中ならどこにでもいるイクチオフリウスによって引き起こされる。よって完全な予防は不可能。

この病は水温の下降上昇などで弱った魚類に親虫が寄生して起こる。

このため梅雨期にとくに多い。

 

寄生虫は取り付いた魚の体表で産卵して水中に卵をばら撒く。これで幼生があっという間に水中に蔓延し、魚に取り付きいよいよ数が増していく。最終的には魚が衰弱死するか、鰓に寄生され窒息死する。

 

いくつかの治療方法があるが、いずれも親を狙ったものではなく、水中を漂う幼生を狙ったものになる。

 

白点病になったらまずやることは水温を28度以上に上げることだ。28度以上にしてしまえば、親虫は生きてはいても産卵ができなくなるので、取り付いている親虫が勝手に死ぬのを待てばいい。

これ単体は、初期にのみ有効な方法で、進行していくと、既に水中にいやというほど幼生がいるのであまり効き目がない。初期や軽症のうちは高水温と塩を併用すればかなりの確率で治る。

ある程度進行したら薬品を投与しないととても回復しない。

また、水温を28度以上にできない魚も当然いるので、これらは薬品のみで完治させなければならない。

そこで治療に有効な薬剤のうち思い出せたものを挙げてみる。

 

塩 マラカイトグリーン メチレンブルー アクリノール  銅イオン 塩酸キニーネ 硫酸キニーネ  唐辛子 大蒜 ワサビ オキシドール 二酸化塩素

ワーオ!! 塩酸キニーネや硫酸キニーネが出てくるページなんて今日日ほとんどないだろw

ちなみにこの二つはマラリアの特効薬で服用すれば予防薬、静脈注射すれば治療薬になる。

 

そして塩酸キニーネは白点病への特効薬となる。

 

そのほか変わったところで銅イオン・唐辛子・大蒜を挙げた。

銅イオンは適当な銅板を沈めるだけでも効果があるが、最近は有機銅を使った「コンディショナー」が出ているのでこれを使うのもよい。

コンディショナーとしてよく認可が下りたな。

ただし、無脊椎動物と植物は「イチコロ」なので、それらの要る水槽での使用は厳禁。

 

唐辛子・大蒜・ワサビはその抗菌作用から挙げた。いずれも強い抗菌作用がある。

ただし、バクテリアも一緒に殺してしまうのが難点。さらに大蒜は摩り下ろしたものをお茶パックなどに入れて使うので、おっそろしい匂いになる。よく効いてはいた。

 

オキシドール 二酸化塩素も効果あり。海外製品だが、オキシドールを薄めただけの商品が白点病の治療薬として売られていた。ただし、薄めただけのオキシドールとは思えないぶっ飛んだ値段だったので、うまく計って使うほうがいい。

 

オキシドールを使うのが最も簡単な方法といえる。

 

二酸化塩素はオキシドールと似たような働きをして、一応効くとされているが、自分ではまだ試したことがない。

 

また、薬品だけでなく殺菌灯の使用も非常に有効だ。初期症状だけならこれだけで自然に治まってしまうことも多い。

 

治療は概ね一週間もあれば完治する。数日かけて数回薬品を投与して一日あけて白点が増えないようであれば、そのまま高温治療だけでほぼ収束する。

 

海水の白点病でもそうだが、白点病なぞ濾過が安定してバイオフィルムを構築できるようになっていれば、そうそうかかるようなものでもない。普段から環境をよく整え安定させて、初期のうちに発見できるようにしておけばこんなのは病気のうちに入らない。そのためにも適度な密度で飼育すればいいのだ。

 

厄介な白点病

 

同じ原生動物が原因らしいので白点病としてあげるが、あまりに症状が違うので「厄介な」と形容詞を付けてみた。

 

滅多に出るようなものではないが、一応書いておく。

 

どういう症状が出るかというと、白点病のように白い斑点がつくのだが、かなり細かい。普通の白点病は比較的大きな親虫が点在するので、全体に塩を撒いたように目視できるが、厄介なほうは細かいものがコロニーを作っているようで、所々に大きな白点がついているように見える。もちろん全体も白っぽくなるほど虫がつくことがある。

 

通常の白点病と違い、かなり猛威を振るう。

見つけたら、ものの半日で水槽の金魚が全滅していたこともあった。

 

治療薬は白点病同様メチレンブルーとされているが、これで助かった個体を見たためしがない。

 

これを克服した時には、大蒜を使った。200リットルほどの水槽に大き目の粒を二つ摩り下ろしたものを投与し、0,7%の濃さに塩分濃度を調整したら、翌日には部屋中が恐ろしいニンニク臭に覆われたものの症状は劇的によくなった。

ただし、強い抗菌作用で濾過槽が崩壊したので、大量の水換えを強いられた。

 

水換え後に、残ったかもしれない虫に止めを刺すためにマラカイトグリーンを投与した。

 

その後の処置は通常の白点病に準じる。

 

また、この病気を自分が出した例はオゾン飼育していたと思しき異様に大きな江戸錦と値段の割りに異様に大きく立派な土佐錦で出した。この土佐錦も異常な大きさからしてオゾンを使った飼育か、極端に多くの換水がなされた環境で飼育されていた可能性がある。

なにせ江戸錦は明二歳で親魚かと思うような体躯であった。オゾンを利用した成長促進などを疑うのは自然だろう。

 

ひょっとしたらそういった環境的な要因で抵抗力を失っていたがために、通常のイクチオフリウスに取り付かれても全く抵抗できないため、恐ろしい勢いで症状が悪化してしまったのかもしれない。

 

海水編 白点病は海水魚もかかる。海水魚の白点病は海水魚のかかる病気の80%といわれているので、これを克服できれば大抵のものは飼えるようになったも同然。

 

淡水とは違い、リプトカリオン・イリタンスという鞭毛虫が原因である。

海水魚の治療では硫酸銅かマラカイトグリーンを使う。

 

硫酸銅はかなりの劇毒である。したがって使用には扱い方、使用量ともに細心の注意が必要だ。

使用量はおおむね200リットルに対して100mg

0,3~0,5ppmの濃度にして二週間ほど維持する。

 

硫酸銅を計ったら、飼育水を点滴バケツのような道具に取り、そこに溶かしてゆっくりと添加していく。

希釈液とはいえこの銅イオン濃度の高さでショック死してしまうものも多い。

とくにフレームエンゼルやチョウチョウウオがよくショック死する。

 

 

100mgあるいは50リットルやそれ以下の容量の水槽では計るのが難しい。かなり精密な電子スケールでもなければ厄介だ。

上皿天秤でも、ここまで細かいと難しい。

そこで簡単に計量しようと思ったら、まず硫酸銅を1g取る。それを2リットルのペットボトルに水を入れて溶かしたものを2リットルの水に溶かせばおおむね0,5ppmとなる。

 

ここから液量計やピペットで水量ぴったりに測ってやればいい。

 

理想は銅イオン濃度テスターで濃度を測りながらやるのがいいのだが、銅イオン濃度テスターがレッドシー社のものぐらいしか出回ってない。これはなかなか置いてない。そこで、非常にアバウトで危険な方法だが数日おきに同量を足してしまう。最終的な銅イオン濃度自体はかなり高くなってしまうが、それでも、この方法で全くできないことはない。途中で水を換え、完治したらまた替えてしまえばいい。

また、硫酸銅を使った水槽では無脊椎動物がことごとく飼えなくなるので要注意。海草や海藻も同様である。

 

マラカイトグリーンを使った方法は、淡水のときに使う濃度のおよそ半分でじっくり時間をかけてやる。

「気づいたらかなり広まってた!!」なんてとき以外は淡水に準じた濃度にしないほうがいい。

 

オキシドールも効果的だ。使用量は先述してある。無脊椎動物を同時に飼育している時には特にこれらに影響を与えない。

 

薬品を添加する前に、水温を上げられる生き物は28度以上にしてしまう。これは淡水と同様だ。

 

また、淡水魚では塩を入れるが海水では真水を足して海水を薄めてやるといい。寄生されたところは傷だらけになるので、浸透圧調整による負担を減らすためでもある。

 

殺菌灯を入れたり、プロテインスキマーを介してオゾンを添加するのは予防に置いて非常に効果的だ。

 

しかしこれ以外にも、予防策に奇策がある。それはオニヒトデを飼っておくという方法だ。オニヒトデの分泌する粘膜が白点病の原虫を殺してしまう。

あくまで予防程度だが、チョウチョウウオを飼っている水槽で使うとたちまち効果が出るそうだ。

 

また、白点病の治療に当たっては必ず殺菌灯の電源を落としてから行う。雑菌や白点を予防するためにつけているのに矛盾しているようにも思えるが、紫外線を薬液に当たれば化学反応を起こしてしまう場合がある。

 

オゾンも同様に添加を止める。さもないと、色素系の薬品まで漂白してしまい全く効果がなくなる。

 

2・ウーディニウム病 ぱっと見は白点病によく似ているが、もっと細かく、若干黒味がかっている。細かく挽いた胡椒をまぶしたようになるのでコショウ病とも呼ばれる。淡水ではウーディニウム、海水ではアミルディニウム・オセラテウムという白点病の原因となるイクチオフリウスやクリプトカリオン・イリタンスと同じ原生動物の鞭毛虫の類である。

淡水魚ではよくベタがかかる。

 

寄生しているものは違えども、目視による症状がよく似ているので、白点病同様海のもの川のもので同じ一般名称で呼ばれる。まさに海千川千w

 

治療方法は全て白点病に準じるが、こちらのほうがしつこく薬浴をしないと、なかなか治らない。また、白点病より発見が遅れやすいぶん、注意が必要。

厄介なのでメチレンブルーよりマラカイトグリーンによる治療を推奨しする。

 

ウーディニウムのほうが鰭の色がにごりやすい傾向にあるように思う。

判別するときには目安になる。

 

 

3・ビブリオ症

ビブリオ・バルニフィカスといえば、汚れた汽水や海水にいる菌で人食いバクテリアの異名を持つ悪名高い菌で、肝臓の悪い人がこれに感染すると一気に組織を食い荒らされあっという間にほぼ全身が壊死してしまう。

 

ビブリオ症というのも、これに近い菌だがバルニフィカスよりは広まる速度ははるかに遅く的確な予防をしていればそうそうかかるようなことはない。

 

主に外傷から入り込み、周囲の皮膚を侵食し赤く腫れ上がる。

 

また、厄介なことに内臓に入り込むこともある。

内臓に入り込んだ場合は、腹部が異様に膨れ上がり、時に赤みを帯びる。

 

こうなると治療は厄介だ。

ただし、製法までは記していないが、松かさの項目に記したような抗菌性のある丸薬を飲ませると内臓に入った場合でも高い効果を発揮するものと思われる。

 

4・海水魚の鰓につく寄生虫

 

よくヤッコやチョウチョウウオ・クマノミについてくる。

若干鰓の動きが激しくなるので、輸入直後の個体は一度淡水浴をさせる。

 

魚がいる水と同じ水温にした淡水に数分間泳がせる。虫がいればぱらぱらと落ちてくる。

日を空けて数回繰り返せば大抵は落ちきる。

 

明らかに弱った個体やデリケートな種では体調を整えることを優先する。

また、デリケートな種で心配な時は四分の一の濃度の海水でやる。

 

5・海水魚のトリコディナ病

海水魚では、クマノミの類・ハギの類がよくかかる。

白雲病のように粘膜が白く濁りただれ、剥がれ落ちた粘膜が水面に浮かんでくることもある。

また、皮膚が変色し、例えば非常に見分けやすいものを挙げると、パウダーブルータンのようにエアブラシで塗装したかのように均一な水色のはずの皮膚に妙な濃淡がついていたりすればほぼ確実である。

 

この病の処置には、淡水浴を使う。手順としては、同じ水温に合わせた淡水を用意し、ここに罹患した魚を入れて患部を指でやさしくこすり菌に冒された粘膜を払い取る。

 

この処置は数分で終わらせる。そのまま水槽に戻すと元の木阿弥になるので、他の水槽を用意しておく。このときの海水は比重を低めにし、粘膜保護剤とエルバージュのような抗菌剤を入れておく。

 

飼育水槽は、過酸化水素などで消毒しておくのもよいが、環境を清浄化し、一月も経てば落ち着くこともあるので、治療用水槽でしばらく過ごしてもらえばいい。

 

 

6・トリコディナ病

水質の悪化が引き金となり、主に皮膚が赤く爛れてくる。

トリコディナという寄生虫に感染して起こる。

 

初期では患部がピンク色になる程度だが、次第に赤くにじんできて、食欲をなくし、異常な泳ぎ方をするようになる。

 

エロモナスの赤斑と紛らわしいが、この異常な泳ぎや、末期に鰓をマトモに動かせなくなるあたりが判別のポイントになる。

 

先にも書いたが寄生虫が原因で最近が原因ではない。従って、エロモナスによる症状ではイソジンが効くが、トリコディナが原因となった場合では効果が望めない。

 

この場合は、塩水浴で治療してしまう。

 

7・白雲病 キロドネラという吸虫類が鰓に寄生して発生する。この病気にかかると、皮膚から寄生虫を追い払おうと、普段の何倍もの粘膜を分泌し、これが白っぽくにごる。慇懃に汚らしく言うと「ただれるほどに粘膜が駄々漏れになっている」となり、綺麗に言えば「雲をまとった」様な状態になる。そのために白雲病の名がある。

 

ただでさえ、体液を吸い取られて弱っているところに、粘膜の過剰分泌が行われるのでかなり進行が早い。

また、この病気は泥かぶり病も似たような症状を呈し、同じく白雲病と呼ばれることもあるが、原因となっているものが全く違うので、間違えないように要注意。

 

まず塩を入れて半日見て、広がったり改善が見られないときは、ほぼ間違いなく白雲病なので直ちに投薬しないとあっという間に全滅することもある。

 

また、この病気はまず持込によって起こる。消毒方法のページが長ったらしくなったのもこの病気で1水系の金魚を全滅させたからだ。

 

もっともこのときは病床から様子を聞いて泥かぶりと誤診して投薬してもらったのが最大の原因だけど・・・

 

効力のある薬品は 過マンガン酸カリウム ホルマリンだが、ホルマリンは試したことがない。

 

過マンガン酸カリウムはこの病気に関しては特効薬だが、強力な酸化剤でもあり純粋なグリセリンと化合させると吹っ飛んだり、コカインか大麻を精製するのに使えるので特定向精神薬原料となっているので、悪用される恐れもあるのでとくに取り扱い注意。

 

また、この薬品の溶液は、反応が終わると茶色く変化する。こうなればほぼ無害になる。ただし、使用後は24時間程度で水を替えてしまう。このあたりはホルマリンに準じる。

 

飼育水を使って過マンガン酸カリウムの250ppm溶液を作り、10分もしないうちにオレンジ色に変色するようなら、ほぼ確定的にこの病気だ。

 

マラカイトグリーンやメチレンブルーが効くと書かれていることもあるが、効かない。

エロモナスにはよく効いたイソジンすら効かなかった。

また、一気に多数死亡するので、ある意味これも判別基準になる。

 

 

8・泥かぶり病 コスティアという鞭毛虫に感染して起こる。白雲病のように粘膜を異常分泌し、これに泥やプランクトンが絡まるため、泥かぶり病の名がある。

コスティアは、通常低温の時に濃すぎる青水に晒すと感染する。ただし、普通は感染しても鰭などが黒くなるだけで、普通はこの程度の症状であれば病気のうちにはいらない。

 

これが悪化するのは梅雨期で、たとえば冬に濃すぎる青水にさらしてしまい、体調不良を引きずったまま梅雨期にまでこの細菌を持ち越したりすると、悪化する。

また、白雲病になった痕が黒斑症になる。これ自体はよく起こるので特に気にしない。

 

過去にかかった例では、屋外飼育されていた個体でコスティアが付いているのはわかっていたが油断して持って帰って温室に入れたら菌が一気に繁殖して泥かぶりにまでしてしまったことがある。

 

 

黒斑症 白くなったり黒くなったり忙しいが、白雲病になった後やなる前に黒斑症を併発する。これだけなら病気というほどのものではないので特に治療はいらない。

 

 

治療は塩水浴とメチレンブルーに加え、別容器で4000倍に薄めたホルマリンに30分ほど泳がせたあと水槽に戻す。これを日をずらして数回やれば大抵消える。

ホルマリンを使わない場合はトリクロルホンを使う。-

 

なお、基本的にコスティアは32度程度の高温で死滅する。一気に高温にするのは危険だが、初期に発見してゆっくりと温度を上げればこれで治ることもある。

真夏にはかからないのは高温に弱いことも要因である。

また、コスティアは宿主から離れると半日もせずに死滅する。よって水草を数日隔離して、魚は高温にさらし、水草は新水にさらしてしまえば治る。

当然この方法は、高温に耐えられる魚種でないと使えない。

 

また、よほど体力を失った個体では真夏であろうと容赦なく発症することもある。

 

9・ネオン病 とにかく「ネオン病」は持ち込まないこと。

「売らない 買わない 広げない」の非核三原則みたいに広げないことが肝要。それには、しっかりと見て買うことが一番重要になってくる。

問屋では普通、海外へ発注して輸入してトリートメントをするが、ストック期間の問題で、どうしても完全なものとはならない。各小売店や飼う人がしっかりと見極めなくてはならない。

 

90年代よりはずっと少なくなった。それでも時折出てくる。

 

ちょうどこのころオランダ産のカージナルテトラでやられた。1匹450円で現在のカージナルの価格から比べるとかなり高いが、それでもかなり安全圏ということだったが、近くにほかの産地からのものがあったためか感染していた。

このため、現在は、新しくカラシンを入れるときは隣にカラシンの水槽がないところを選んでいる。 西武の千鳥停車ならぬ千鳥防疫だ。

 

輸送による細かい傷に免疫が落ちたときに、カラムナリスが筋肉組織内で繁殖して起こる細菌感染症で、初期に衰弱して群れから離れ、患部が白く色が飛んだようになり、次第に発赤して潰瘍のようになり死ぬ

 

と、これだけでは1匹2匹の被害で済むものなのかと思うが、否。感染力がすさまじい。

感染されると、一気に広がりたちまち水槽内は全滅。下手をすれば、水しぶき一つで隣の水槽に拡大するということもある。以前勤めた某店で確認。

 

このときは比較的体力のある大きなネオンテトラから拡大して周囲のテトラ類の水槽をほぼ根絶やしにした。

 

こんな状態でも平気で売る店があるので気をつけないといけない

 

この病気は、なぜだか、カラシン以外の魚類には殆ど感染しない。

また、病原菌になる細菌にしては珍しく好気性の細菌。

よって、水が綺麗だから大丈夫だとか、酸素濃度が高いから雑菌が涌かないなんていうことは全く安心できる材料にならない。

 

一応治療方法は、水温を28度に上げて、0,5~0,7%の食塩水に設定し(0,7%はかなり濃いので徐々に塩分濃度を上げていく)、オキソリン酸の配合されたパラザンDやサルファ剤の配合されたグリーンFゴールド、テラマイシンなどの抗菌剤や、抗生物質のようなものが効く。とはいうものの、気付いたときには大抵間に合わないので、普段から予備の飼育設備を一つ用意して、新しく入れるときには必ずそこで様子を見るのが賢明。

感染した場合は、容赦なく処分しないと周囲の水槽に広がっていく。

 

 

 

10・リンフォシスティス これは普通海水魚で起こる病気で、海水魚では先に挙げた白点病・ウーディニウム病と、このリンフォシスティスを治せるようになれば殆どの病気には治療できる。

海水魚以外では、汽水魚を淡水で飼うと起こることがある。

リンフォシスティスウイルスの感染によって起こる。

鰭や体にカリフラワーのよう白色あるいは若干黄色みがかった白色のカリフラワーのような潰瘍ができる。

 

治療方法は、海水魚なら淡水浴、淡水魚なら海水浴をさせる。時間は魚の体力や種類にもよるが、おおむね2・3分。これを一日1回、最低数日間は繰り返す。多少暴れるのは問題ないが、明らかに淡水浴・海水浴をさせている間に異常な動きがあれば直ちに飼育水槽に戻す。

 

このとき、網で掬ったり、暴れたときに必ず傷ができるので、アクリノールやエルバージュでよく消毒する。粘膜が傷ついているので、粘膜保護剤やアクアセイフなどの併用が効果的だ。

 

かなり荒療治になるが、爪で潰瘍をこそぎ落とすという方法もなくはない。

最初に教わった方法がこの方法と淡水浴の併用で、しばらくこれを使っていたがとくに問題はなかった。後になってかなりの荒療治と聞いて、わざわざこの注意を書くに至ったほどだ。

 

淡水浴をさせる時は、カサゴの類・エイの類・ハギの類など体にとげのあるものを扱う時には自分が刺されないように特に注意する。

 

 

11・プスドモナス・フロリッサンスによる赤斑症

かなり古い本にプスドモナス・フロリッサンスという原生虫の寄生によるものと書かれていたので、ここでは「プスドモナス・フロリッサンス」というものがいくら調べても見つからなかったので「プスドモナス・フロリッサンスと呼ばれていた何か」によって起こる病と仮定して話を進める。

 

なお、ここで呼んでいるプスドモナスとはシュードモナス(Pseudomonas)のことであった。この病気と尾思われるものを見つけた本にはプスドモナスと表記されていたが、スペルを見ればすぐわかるように、これじゃあプスドモナスかプセウドモナスと読んでもしかたあるまい。況やラミレジィをラミレザイを発音してしまったような時代のことだ。しかし、フロリッサンスという種は相変わらず見つけられなかったので、プスドモナス・フロリッサンスの表記でごり押しする。

 

グラミーの仲間で何度か見かけている。

特にタイワンキンギョで何度も出た。

特有の赤斑が出てきて、エロモナスかと思うが、グリーンFゴールドやパラザンDが一時的に効くだけで、傷が引いたかと思うとまた赤く腫れ上がるのを繰り返すばかりで根治には全く効かなかったので、エロモナスとはおそらく全くの別物だ。

 

念のために言っておく、高校生の時に始めてこれを出して、周囲十数軒の店で聞いてもグリーンFゴールドかエルバージュという解答しかえられなかった。

衆口金を爍す(とかす)というが、どんな善人をも悪人に変える絶対的な力である衆口をもってして効かなかったが確かなのだからどうしようもない。

 

牧野氏も「ベタやグラミーに多い」と他の細菌感染とは違うと気づいて書いたものだと思われる。本人に聞いてみないとわからない。

当時の本には治療方法がわかっていないとしか書かれていなかった。

 

この方法はたまたま理科室で発見したもので、過マンガン酸カリウムを消毒薬としていれ、数日置きに3回ほど薬浴させる

 

なんとこれだけで、どうやっても治らなかったものが治った。

オキシドールやイソジンを使っても効く可能性はありそうだ。

 

これらの方法は、いずれも酸化剤を使ったものである。

しかし、シュードモナスの類というのは緑膿菌の類であり、好気性の細菌だ。

どうして効いたのか不思議なくらいだ。

 

後述する赤点病と近い菌である事から、オキソリン酸を主成分とした薬剤を使うほうがいいかもしれない。

 

また、追記していて思いついただけなのである薬草としか書かないが、ひょっとしたら効くかもという目星がいまついた。二種類の薬草なんだが、次に病気を見つけた時にこの薬草が使える季節であれば試してみよう。

 

12・赤点病

これは海水魚にかかる病気で、主に養殖ウナギの病気だ。観賞魚を主体に扱っていたら知るわけがない!!というようなレアな病気だ。

 

原因となっているのはシュードモナス・アンギリセプチカという菌で、先述したプスドモナス・フロリッサンスによるものに近い。

淡水魚の時は過マンガン酸カリが効いたが、海水だと過マンガン酸カリは禁忌薬品の一つ。

 

ただし、以前実験した時は海水でも効力が落ちそうな感じがなかったから、ひょっとしたらいけるかもしれない。

 

ウナギの養殖業界 を騒がせ、1971年から1973年にかけて徳島県のウナギの養魚場で発生し、大打撃を与えたという病気だけに、治療実験した論文があって、ナルジック酸とオキソリン酸で実験していた。

 

それぞれに効果があったけが、オキソリン酸のほうが効果が高く、しかもオキソリン酸のほうが手に入れやすいという状況だ。

 

先の実験で使用した濃度は2~10ppmで、いずれも100%治療できていた。

 

このシュードモナスという類は病院で厄介がられている緑膿菌の一種で、これが恐ろしく耐薬製がある。この実験を見る限り、グリーンFゴールドなどに使われている程度のサルファ剤では厳しい。

 

実験でも使っている、オキソリン酸を使ったグリーンFゴールドリキッドかパラザンによる治療が有効と考えられる。

これなら、同じ方法だから治せるはず。注意書きに海水に使うなって書いてあるけど、実際使って直せてるから濃度の調整さえすればガン無視してやればいい。

 

相手は耐薬製に長けた緑膿菌の類だ。中途半端な薬浴では駆逐しきれないだろうから、ギリギリ直ったという2ppmではなく5ppmで治療開始し、治り次第換水することをすすめる。

 

ウナギで出ているが、メジナ・クサフグでそっくりな症状を出したというので、オキソリン酸の投与を勧めてどうなるかをこちらからも観察中。これじゃあ、珍しい病気が出たと効いて嬉々として介入するマッドサイエンティストだ。

私はマッドサイエンティストではなく悪の科学者だ!!

 

この経過観察の結果が出次第ここに乗せようかと思う。また、ウナギで感染があるのなら、ウツボで出てもおかしくない。この記事が役に立つ日が来るかもしれない。

 

さて、結果は出た。どちらも手を打つのが遅く死亡したが、明らかに赤点は引いていたから効力を充分発揮できるものと思われる。

 

 

13・穴あき病 エロモナス サルモニシダの感染によって引き起こされる。

初期症状ではうろこ数枚が充血して、症状が進むと次第に剥離し、次にうろこの下の皮膚が溶けて、筋肉が露出してくる。

特にひどい例だと内臓が見えることもあるという。

 

この菌は比較的低音を好むため、水温の低い春と秋によく発症する。

したがって梅雨期の末期に発症して、ごく初期症状のまま梅雨明けを迎えてしまえば水温の上昇で自然治癒することもある。

 

70年代に大発生したことがあったが、そのころのものと同じ菌であれば、一般的にはエルバージュか、パラザンDで治療する。

 

体に大きな傷が出来るだけあって、浸透圧調整も自力でやらせるとかなりの負担になりうるので、余計な負担を減らして自己治癒力を高める意味でも塩分濃度の調整をしてやる。

 

新穴あき病 15年位前から出始めた新手の穴あき病にはこれまでの治療方法が全く効かない。耐薬性が付いてしまったものなのか、まったく新しいものかは不詳。新手のものの治療を従来の方法で始めると、最初傷口がよくなったかと思うとまた溶け始めてくる。

 

これの治療には南天の葉を干したものを煎じた汁を溶かすとよく効く。と聞いてみてやったらよく効いた。ただし、計ってやったわけではないので具体的な投与量を覚えていない。濃い目のお茶くらいに出したのを、急須いっぱいぐらいの量で60cm水槽に使って完治はした。

この病気は一度しか出したことはないが、一度出たとき片っ端から感染しまくって、当時持っていた金魚を壊滅させてしまった。

 

そのときは中国金魚から拾ってしまった。このときの物は、愛知の弥富を経由していた。どうストックしていたかはわからないが、これで中国金魚は弱いと思い込みしばらく買うことがなくなったくらいだ。

南天の調達がかなり面倒なので、とにかく拾わないようにしたい。

 

最近は中国東錦ほしさに時々中国金魚も扱うが、見かけていないので検疫はしているものの安心はしている。

 

14・エロモナス 

 

 

 

この個体は写真として都合のよいことにエロモナスの諸症状が出ている。

 

 

かなり惨たらしい死体が出来上がり、薬代も高くつくので最も出したくない病気の一つ。先の穴あき病もこの類だが、新穴あき病がどうなるか良くわからないし、エロモナスでも少々種類が違うので、別項目でくくってみた。

このエロモナス・ハイドロフィリアという菌はなかなか厄介で、比較的塩分・高低水温・高低pHに耐えてしまう。よって、白点病のように水温を上げれば落ち着くとかそういったことがない。

先ず換水し、負荷を軽減するために塩水浴をし、的確な薬剤を投与して、徹底的に菌を駆逐する処置をとる。

 

松かさの治療にココア浴をよく使われるが、これはエロモナスが自身を守るために使っているバリアーのような免疫をポリフェノールが破壊し、薬効を高める、と同時にポリフェノール自体が持つ抗酸化力で菌を駆逐するというもののようだ。

 

先に挙げた穴あき病と同じくエロモナス細菌感染などによって以下の三種の病気が起きる。

 

立鱗病 松かさ病 エロモナス敗血症 

 

 

鱗の下の皮膚に水がたまり、次第に真ん丸くなって衰弱死する病気。

何が原因なのか見極めるのが難しいという点で厄介。

 

一つにはエロモナスによって内臓を侵されることや、痛んだ餌を食べて内蔵を壊したりして代謝機能に影響が出て排水ができなくなって起こるパターンや、特に思い当たる理由もなく発症がある。思い当たる理由がないだけで、何がしかおきてはいるのだろうが、餌も古くないし感染する要素もないといった環境でもごくまれに起きる。

 

また、濾過槽などにチャンネル現象が起きていたとかで、水流がなく腐敗した場所があると、そこから生じた菌により感染する。

 

兆候としては、入荷直後の個体などがぐったりとして覇気がなく、水底に沈んでいるとその数日後によく症状が出始める。

 

また、イカリムシやウオジラミ等の寄生虫が出た後もよく感染する。

よって、イカリムシ・ウオジラミの類が出た時には、速やかにピンセット等で親虫を摘出し、トリクロルホン等の薬浴を行い、換水後に塩分濃度を高めできればこの時点でさっさとサルファ剤付けにしてしまえばこのリスクは避けられる。たかがイカリムシと侮ること勿れ。

 

いずれにしても、塩水浴と絶食がよく効く。症状が軽いうちはグリーンFゴールドやココアを使う。

症状が軽いうちに強いオキソリン酸の薬剤をいきなり投与して、しまうと「治った」と思って再発したときに耐薬性がうっかりできていたりするともう打つ手がなくなる。

 

薬浴が効かないときは内臓をやられている恐れがある。この場合は薬品を餌に混ぜ経口摂取させる。オキソリン酸を餌にしみこませるのがかつて一般的であったがどういうわけか最近はしみこませるタイプのものを見かけない。

 

そこで、2013年8月現在ココアの沈殿物を経口摂取することによって回復する例が多いことに目をつけたので、更に数種の生薬を配合した丸薬を試作し、

治験をしている。経過一日で劇的な回復を見せているのでかなり期待している。

ただし、ある薬草が生で使わねばならず、冬の間に感染したと起動するか非常に悩んでいる・・・

 

個人的には末期でもない限り「松かさごときがなにするものぞ!!」と意気込んでるが、この丸薬の成果次第で更にこの意気込みに拍車がかかるというものだ。

2013年9月7日現在。バッチリ拍車がかかりました。

症状が出てからでも最短2日、概ね3日、最長5日で13匹全員が完治!!

 

さらにこのとき症状が出た残り7匹も、計7日で6匹完治。

この実験では95%が完治した。

 

よってこの丸薬をご先祖様が扱っていた五臓圓とかけて五草圓と命名し、2013年悪の四大発明の一つに独自認定!!

 

 

 

 

ポップアイ 上記の立鱗病のような原因で目がとび出す病。立鱗病とこの病気は感染力は殆どない。

 

水質の悪化が原因の場合はさっさと大量換水すれば大抵治癒する。

塩水浴で自然治癒してしまうケースもあるので併用するとよい。

 

エロモナスが原因の場合はグリーンFゴールド・オキソリン酸を用いた薬剤を使うと効果はあるが、松かさ以上に長引くので、薬代が高額になりうることを覚悟する。

 

赤斑症 皮膚の表面や肛門付近、口の周りが赤くただれて行き衰弱死する。

立鱗病やポップアイと違い感染力が強いので要注意。

 

 

ココアは砂糖などの入っていない純粋なココアを使う。

使用量は水100リットルに対してココア10g

この方法はココアに含まれる蛋白質や油脂によってすぐに水質が悪化するので最低でも1日一回水換えする。

塩水浴と併用すると効果が高まる。

また、ココア浴をやっている間は餌を絶対に与えない。

 

ココアが効かなかったときは、立鱗病・ポップアイではパラザンを餌にしみこませて経口投与する。観賞魚パラザンではなくパラザンだ。

赤斑病のときは、パラザンDやグリーンFゴールド、テラマイシン、その他抗生物質を投与する。

 

赤斑は大抵これで治るが、ポップアイは治らないときは治らない。

 

また、エロモナスにはイソジンもかなり有効と思われる。

赤斑症も軽症のうちならイソジンの投与で、丸一日で赤みが引くぐらいになる。

この場合も、もちろん水は作り直しになる。

 

15・テトラヒメナ症

輸入グッピーはこれにかかってよく死ぬ。90年代に末ごろから出始め、テトラヒメナという細菌が皮膚から入り込みは最終的には内蔵も侵す。侵された場所は細胞が壊死して白く濁るのですぐに見分けは付く。

 

有効な治療方法はないので、そういった個体を買わないようにする。

非常に感染力が強く、グッピーキラーとも呼ばれる。

輸送する際や怪しいときに25ppm二酸化塩素を入れると持ち込まないあるいは健康な個体への感染拡大を防げるというので、予防に使うのは非常に有効かと思われる。

 

これにかかったグッピーは本当にバタバタと斃れていく。

某所では、この病気ではないかと散々指摘しても「水をやたらかえるから死ぬんだ」と責任転嫁までされてとり合わず、毎週グッピーを大量に仕入れて全滅させていた。

そしてこのような状態で平気で売るというとんでもない店があった。きっと今も同じことを繰り返しているのだろう。全く愚かしい限りだ。

 

だから初めてグッピーを飼うときは国産にしろと何度言わせれば・・・(略

 

16・ガス病 ガス病と呼ばれるものには酸素ガス病と窒素ガス病の二種類がある。酸素ガス病は夏に青水で飼っていると極端に日差しの強い日にアオコの光合成が盛んになりすぎて、酸素ガスが飽和状態になり鰭に気泡ができる。

この気泡をほうっておくと鰭が裂けたりしてそこから腐る。

特に土佐錦魚がかかりやすい。これは浅い丸鉢で育て日光に良く当てるという伝統的な飼育方法に起因する。

 

窒素ガス病は特定の井戸水で窒素ガスが多すぎたときに起こる。

 

いずれにせよ、エアーレーションを強めにしてやり、飽和したガスを大気中に放散させればいい。また、酸素ガス病の場合は鉢なり水槽に日よけをしてやる。

 

 

17・カラムナリス病 滑走菌の一つである、フレキシバクター・カラムナリスの感染によって起こる。感染箇所により呼び名が変わる。

 

尾腐れ病

 

 

鰭などに寄生し、表皮を壊していく。この際に蛋白質分解酵素を分泌して、鰭が溶け出し、鰭条のみが残り、骨だけになった唐傘のようになる。そしてその鰭条も壊死してしまう。

早く治療に取り掛からないと完治したところで鰭の大半を失うという事態にもなりうる。

 

カラムナリスによる鰓腐れ病 鰓をのぞくと白色の付着物があったり、白っぽくなっていたりする。

既に感染を受けて、鰓の毛細血管に十分な血液が行かなくなっているからだ。

次第に呼吸回数が荒くなり、そのうちに呼吸回数自体が減ってゆく。

労咳になって、咳がひどくなったあと、体が衰弱してくるとやがて咳をしなくなるような感じだ。

体色が悪くなり、目が落ち窪みやがて死に至る。

 

 

皮膚全般の感染および口腐れ病 白色・黄白色に濁り、やがて出血を伴いながら壊死していく。体色は黒ずみ、全体は粘膜の異常分泌により白い膜を覆ったようになり壊死する。

 

 

上に挙げた三種の病気は、いずれの場合も、カラムナリスの細菌感染によるものなので・グリーンFゴールド顆粒・エルバージュエース・ハイートロピカルフレッシュリーフ・グリーンFゴールドリキッド・パラザンDサンエース等の抗菌剤抗生物質を用いる。

 

また、感染速度は非常に速いので、一刻も早く水を換えて投薬する。

また、このとき併用する塩水浴は0,8%と特に濃い濃度で行う。

 

多少脱水するが、菌の駆逐を優先するほうがよい。

グッピーなど特に塩分濃度の上昇に強い生き物であれば、1%にしてしまってもいい。

 

また、イソジンを使う療法もある。水1リットルにつき4滴ほどの割合でいれ、5分ほどで開放してやる。

ただしこの方法は、戻す水槽に菌がいたのでは何の意味もない。

たとえば、全て魚を取り出して、水槽全体を消毒して、再起動させて、魚を戻すときに薬浴してしまうなどの方法をとるとよい。

あるいは、水10リットルに対して4滴入れて永久浴にする。

 

オキシドールも効果があり、10リットルの水に対して5mlに割合で溶かして1時間後に水を換える。当然過酸化水素水の場合は更に十倍に薄める。

 

 

最近エンゼルフィッシュの稚魚を仕入れても仕入れても死に絶えることがあった。ところが同じように死に絶えることが絶えなかったオレンジクロマイドにイソジン薬浴をしたところ生き残った。そこでエンゼルにも試したところ半数が生き残るようになった。

 

原因がわからないので、エンゼルがギリギリ生きる程度に病状を進行させたところ、カラムナリスと思しき症状が出た。ところが、通常塩の投入とグリーンFゴールドかエルバージュ・イソジンを入れれば数日で症状が落ち着くところ、10日近くたっても完治しない。

もちろん過去に死に絶えたものにもグリーンFゴールドやエルバージュの投与は行った。

効きが悪くなっているように思える。ひょっとしたら、耐薬性を持ち始めているのかもしれない。

 

また、これらの個体で共通したのが、問屋で見たときになんでもなく、持っきてから3日で症状が出始めるということだ。輸送に1日、問屋で3日、店で3日の合計一週間が養殖場で投与されている抗生物質の切れめなのかもしれない。

 

養殖業者は無駄なホルモン投与で見栄えをよくすることだけを考えたり、このようなむちゃくちゃな投薬などと、ろくなことをしてくれない。もっとも、そうまでせざるを得なくしているのは価格でしか物を見ない愚かな人間がいるからだ。

値段だけに飛びつく馬鹿ほど救いがたい物はない。

 

 

 

 

 

18・海水中での滑走菌による感染症

 

カラムナリスといえばエルバージュを使うわけだが、よく滑走菌に感染するヒラメの養殖でも使われる。

 

ということは、海水魚でも滑走菌による感染症は起こる。

 

症状としては淡水のカラムナリス症に準じる。

 

この記事を書き足している2013年9月11日に知ったのだが、鰓ぐされも起こる。考えたら似たような菌が活動するから当たりまえっちゃあ当たり前だが、海水で鰓ぐされというのは聞いたことが無かった。

 

治療方法は淡水のカラムナリス同様にエルバージュやグリーンFゴールドを使う。

ただし、海水でこの手の薬品を使うと効きすぎることがある。エルバージュはともかく、グリーンFゴールドは濃度を半分ほどに落として使う。

ただでさえ、海水使用をメーカーは奨めていないのを応用するから使う時は伸長に。

 

餌付きのいいはずの魚種で拒食が長引き且つ呼吸が速いときはこの滑走菌の感染を疑う。

 

19・ダクチロギルス・ギロダクチルスによる鰓病

 

ダクチロギルスらがエラに感染することによって起こる。

この二種の寄生虫は繁殖方法が異なり、卵生か卵胎生の違いである。

どちらも雌雄同体でその繁殖速度の速いことはあまり変わらないので、だからなんだという感じである。

 

ダクチロギスは体全体に寄生し、ギロダクチルスはエラにのみ寄生する。

ここでどちらが原因かを見極めることが出来る。

治療方法が同じなのでだから何だと。

 

ダクチロギルスは高温時、チロダクギルスは低温時に起こる。

だからなんだといってられない。これは注意しないといけない。代謝がよい高温時は進行が早いが治療も容易になり低温時は進行が遅いが治療が難しくなるという板ばさみだ。

漢方でいう所の「証」を用いることで、症状を見極め投薬量を若干変更したりする必要もある。この微調整の量はそれこそ状況により変化するので書けない。よって投薬量は各薬品の基準量を中心として調整する。

 

症状としては、鰓をやたら大きく開けて呼吸し見るからに苦しそうになる。

また、粘膜を多く分泌するようになり、鰓から粘膜駄々漏れといった状況なら間違いなくカラムナリスによるものではなくこちらが原因となる。

この頃は白雲病と誤診しやすいので、鰓の動きも注意して観察する。

 

 

そのうち鰓が食い荒らされ出血を始め、鰓が閉じているか開きっぱなしになり、灰色に変色し崩壊し呼吸困難になり死ぬ。そうでなくとも治療が遅れれば崩壊が始まった鰓は再生したところで鰓杷が癒着してしまい本来の機能を果たせなくなる。

 

この寄生虫を駆除するにはホルマリンやマゾテン・リフィッシュ等トリクロルホンを用いた薬剤を投与する。

 

 

20・シクリッドの腸管鞭毛虫寄生

 

シクリッドの腸管に鞭毛虫が寄生して、白い糞を出し、体は黒ずむ。

鞭毛虫の駆虫としてメトロニダゾールが効果的だが、観賞魚用として売っていない。

ただし、虫下し用のディスカスハンバーグはあるのでこれを使う。

 

輸送によるストレスや体力低下によって腸内で異常繁殖する。

もし薬品が手に入らないときは水温を上げ0,5~0,7%の塩水にして、抗菌剤をばら撒き、糞をこまめに取り除き、とにかく体力を維持しつつ薬が手に入るのを待つしかない。

 

 

21・ディスカスエイズ

80年代後半から90年代にかけて流行し、当時知られて怖れられたディスカスエイズやディスカス病がこれである。

 

感染に注意していたのが小学生の頃でよくわからなかったが、細菌性の病気でこれも黒ずんで弱っていく。

 

治療にはゆっくりとpHを5程度まで落とし、水温を32度程度に保ち絶食させ、細菌が死に絶えるのを待つしかない。

 

また、感染力が凄まじい。飼育水は、飛沫一つで隣の水槽を全滅させるくらいの菌をふくむことになる。

 

現在は殆ど見られないが、黒ずんだ個体などはいくら安くても「治す過剰でない自信」とそれに比例する「腕」が必要だ。

 

 

これと似た症状をアルタムエンゼルがよく出す。

アルタムエンゼルは、問屋でも網を使い分けるように張り紙が張ってあるくらいだ。アルタムエンゼルを買う時は慎重に個体の状態を見て買い、必ずトリートメントタンクに入れて、発症の有無を確認する。ただし、グリーンGゴールド漬けにされている場合が多いので、トリートメントタンクでは、スレ傷による感染がありそうなので、これを避ける意味でも塩水浴・グリーンFゴールド・アクアセイフ等粘膜保護剤・高水温の四つの処置をとることを強く推奨する。

 

 

22・ウオジラミ・イカリムシ  

金魚によく取り付く寄生虫で、イカリムシは白色の細長いからだで、ウオジラミは褐色で扁平な体を持つ。

ウオジラミは雌雄ともに寄生するが、イカリムシは雌のみ寄生する。

寄生された箇所の周囲が充血し、悪ければ死に至る。

寄生して卵を水中にばら撒くので、必ず目立つものをピンセットなどで取り除く。

 

投薬は独自の解釈になるが、これらの虫ははっきり目に見えるだけあって成長に時間がかかる。この性質を利用して、親虫を取ってから2日ほどおいて、残った卵が孵った頃を見計らって一度の撒布で駆除している。

 

一般的な治療にはトリクロルホンを使ったリフィッシュがいい。ただし、卵には無効なので、数日おきに散布して2~3週間は投薬し続ける。

 

 

 

23・ツリガネムシ 原生動物のツリガネムシ(エピスティリス)が、鱗や鰭に寄生して起こる。ぱっと見は巨大な白点病という感じで、末期症状が穴あき病や尾腐れ病に似てくるので誤診に注意。

 

また、鱗の隙間の皮膚ではなく、鱗に寄生するのも特徴。

この虫は魚から体液を吸い上げるわけではなく、魚の体を基点にして水中を漂うバクテリアを捕食する。

虫の寄生そのものより、この傷口からの二次感染が問題となる。

 

治療には水を換え、0,5%程度の塩水とし、薬品はメチレンブルー・マラカイトグリーン・トリクロルホンなどを投与する。

特に大きな群体には、粉の薬品を擦り込むのもよい。といっても、粉末のマラカイトグリーンやメチレンブルーなどそうそう手に入る代物ではない。

 

先に書いた「厄介な白点病」に症状が若干似るが、こちらは進行が早くないので判別は非常に容易だ。

 

 

24・コイ・金魚のヘルペス ヘルペスと呼ばれるウイルス感染によって起こる。細胞全体が感染するのも厄介だが、特に脾臓や腎臓に感染して、貧血になり、酸欠になって死ぬ。まだ確定的な治療法はなく、春から夏に発生する。

 

やたら死ぬときには、新鮮な死魚やまだ生きている個体の鰓蓋を切り取って、鰓がピンクや白色に近い色になってないかどうかを確認する。

貧血を起こしているので、本来赤みを帯びている鰓の色に影響が出ているかどうかを調べるためだ。

 

もし疑われる場合は、処分する。もっとも、処分すると決め込んだときには全滅していたということもありうる。

 

もし生き残った個体がいたとしても、その個体は保菌者となってしまうので、その後ほかの個体とキャリア期間が終わるまで飼うことはできない。

 

コイとキンギョで起こるものは症状は似ているが、コイからキンギョに、キンギョからコイにといったように、種を越えての感染はない。ただし近年作出されたコイとキンギョの交配種に関しては全くわからない。

 

2013年夏についに我が家にヘルペスを上陸させたようなので、以下はその過程から察せられたことを中心に書く。確実にヘルペスだったかといわれると非常に自信がない・・・

 

ある時小赤が大量に死に始めた。夏場だったので、輸送状態が悪かったのだろうと特に気にかけなかったが、その死亡していく速さが普通ではなかったそこで何体か解剖したところ、鰓の貧血と内臓が赤く腫れぼったいものがいた。

 

そこで、ヘルペスではないかと疑っているうちに小赤が全滅した。

この間僅か一週間。

 

網か飛沫が原因で周囲の水槽に広がりを見せ、次々と金魚が衰弱したが、好適環境水にしていたせいか、よく言われる一週間程度で全滅という光景は見られなかった。そうこうするうちにやたらと松かさとコスティアを併発する個体が目立ち始めた。聞いていたヘルペスの症状とは明らかに違うのでヘルペス以外のものを疑ったが、とりあえず高温治療というのを試してみた。

 

結果は、とりあえず高温治療をやったものは一ヵ月後も生き残った個体がいるという程度で、一ヶ月経過してもいまだにコスティア症が出ており、死ぬ個体も見られる。現在これらの個体はホスピスのような扱いの水槽にまとめて経過を観察している。この個体群がどうなるかとりあえず予想がつかないので、小赤かハネを入れて、先に出たような症状が出ないかどうかを何ヶ月かにわたって実験して経過を見てみたいところだ。

 

以上が顛末という具合なので、ヘルペスではなかったのかもしれないがよくわからなかった。エアーレーションで濾過装置を稼動していたことで鰓の貧血のダメージを軽減し、同時に好適環境水によるほぼ無負荷で浸透圧調整を行えたことで、余計な体力を使わなかったことが死亡までの期間を遅らせた可能性がありやはりヘルペスだったのかもしれない。

もしそうなら、ウイルスを叩く有効薬があるに越したことはないが「今飼育している個体」を高温治療などで生かすことはできるのかもしれない

 

 

さっさと処分といいつつも、やはり見たことのない病気を見ると経過を観察してみたくなってしまうので残しているが、もし出した時に経過を見てみたいという場合はとにかく感染の拡大を防ぐために隔絶した場所にある水槽に移すべきだ。

 

 

一応治療方法と考えられるものをまとめてみる。

 

水温を急激に上げ34度程度にするととりあえずウイルスに対する免疫が出来て助かる例があるという。ただしキャリアになるのは変わりない。また、この方法では温度変化についてこられず死ぬ個体もいる。

 

 

また、次亜塩素酸水を用いると治療できたという例も聞く。

まだ確定的なものではない。

次亜塩素酸水ときいて次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸塩などをぶちこむのは話しにならない。

ただし、全滅させた後にはよく効くので飼育設備の消毒には有効だ。

使った後は大量の塩素中和剤を入れ、塩素を中和してから水道水でよく洗い一度乾燥させる。

 

また、松かさの治療に出した例の丸薬には抗ウイルス作用がある薬草が入っている、これを内服させるとこのウイルスに効くものであったら効果があるかもしれない・・・ということでこの記事を書いている。どうなるかは、全くわからないが。

 

 

25・イリドウイルス 東南アジア産のグラミーや小型魚特にランプアイが時折かかる。イリドウイルスが脾臓や腎臓に感染して起こる。症状としてはコイ・金魚ヘルペスと似ている。

輸送のストレスが引き金となって起こる。感染力が強いので、見つけたら処分するよりほかないだろう。

 

東南アジア産の小型魚がやたら死ぬときはこのウイルスも疑ってみるべきだ。

 

この症状と思われるグラミーにグリーンFゴールドが効くことがあるという話を聞いた。ただし内臓にまで感染するものなので、このウイルスを叩くほどの量を丸薬にして内服させ、なおかつ魚が耐えられるかが問題となってくる。

 

件の丸薬を思いついてからこの病を見ていないのでまだ試しようがない状況である。

 

26・肝炎・腎肥大 金魚の当歳魚で時折かかる。内臓が肥大し、体が曲がったようになる。まず助かることはない。

また、同じように内臓がやたらと赤くはれ上がる症状を見せることがある。時折見かけるので、何度か熊胆を混ぜてみたら治ったことがあった。

熊胆は基本的に肝臓の薬として使われるので、たまたま肝炎だった個体だったから効いたのかどうかもわからない。

サンプルが欲しいところだが、いかんせんなかなか罹るような病気でもないし、わざわざ感染させたくもないので、検証は当分先になりそうだ。

 

27・消化不良 

古い餌や質の悪い餌を与えたときや、餌を消化するのに必要な「温度」がなかったときに起こる。

水に簡単に溶けるような糞だとか、白い糞や透明感のある糞を出すときは消化不良を起こしている。このようなときには環境を変えず、そのまま数日絶食する。ごく少量ずつ餌を与え、正常な糞をしているようであれば徐々に餌を元の量に戻す。

 

もし冬に餌をやっていて、このような症状が出る時は、たんぱく質の含有量が少ない餌に換えるか、餌を与えないか、水温を上げるなどの対策をとる。

 

 

 

28・転覆病 ランチュウや琉金といった丸っこい金魚が時折かかる。鰾や脊椎の異常といわれていたが、レントゲンをとってみるとそうでもないらしい。いずれにせよ体内の問題で、平衡感覚をつかさどる神経が何らかの損傷を受けて異常をきたしている可能性が高い。もう一つは、過剰な脂肪によるもの。冬におきやすいというのはこれが原因かもしれない。

 

これといった対策がなく、後天的なものは水温を上げると治ることがある。

薬品としての販売ではなくなるが、転覆の改善をうたったコンディショナーが発売されている。後天的なものでは改善が見込めるだろうが、成長の過程や外傷などで神経が傷ついたものなどにはとても効果が期待できるものではない。

 

29・魚結核 マイコバクテリアに感染して起こる。インコではおなじみの病だが、魚類でも起こる。数少ないヒトに感染する病気。獣医師に的確に効く抗生物質を処方してもらう。

 

症状はエロモナス症に似ている。また、自身の感染も疑われるので、この病気と確定したら病院へ行こう。

また、めったに発症するものではない。20数年魚類を飼っていて一度も見たことがないのでまず心配しなくてもいいだろう。

 

自分で引き起こしたこともなく、海外サイトで見つけたので、これ以上詳しくはかけないので、各自で調べていただきたい。

 

http://en.wikipedia.org/wiki/Mycobacterium_marinum

 

https://www.google.co.jp/#hl=ja&safe=off&sclient=psy-ab&q=fish+mycobacteria&oq=fish+micobactellia&gs_l=hp.1.0.0i13i30j0i8i13i30l3j0i8i13i10i30.1633.2323.1.5464.2.2.0.0.0.0.96.173.2.2.0...0.0...1c.0n_TwM

 

これらを参考にしてもらいたい。

 

 

 

 

30・コイの眠り病

主にコイの若い個体がかかる。原因は良くわかっていないが、水底に集まり眠ったように動かなくなるという特有の症状を見せる。

 

眼球が落ち窪むこともあるが、カラムナリスに感染した場合も似たような症状を出すこともある。

 

酷くなると、皮膚が充血したり目が白濁したりもする。

 

内臓に異常が出るようで、血中なナトリウムイオンが低下したという報告もあるようだ。

このため、塩の投入は薬が手に入るまでの繋ぎとしたり、あるいは回復を早める意味でも効果は高い。

 

内臓にエロモナスのような細菌が繁殖している可能性もある。

 

現に、パラザンやグリーンFゴールド・テラマイシンでの治療方法がある。

これらを規定量投与する。ただし、本復までに少々時間がかかるので、治療期間は長めに取る。さもないとまたぶり返す。

水温を上げて治療するといいが、パラザンを使う時は薬効をなくさないためにも、30度を超えることがないようにする。

 

水温が低下し始める秋から冬にかかりやすい。

その歳最後の池換えや水換えは念入りにしておく。また、先にも塩の効能を書いたが予防の意味でも冬の間には入れておくとよいとも聞く。

 

金魚のいるところに、コイを入れたら急にかかったという話も聞いたので、何度もいうが移動の際は検疫水槽を設けたほうがいい。

 

 

 

特殊な治療法

 

低温不活性療法  真冬に金魚や鯉を屋内飼育していて、わけのわからない病気を持ち込んだときに使える。何の薬も効かなかったというときの最終手段。棄てるくらいの気持ちで行かないと「やっぱり全滅した」という時に自身のショックも大きい。

何割かはショック死します。 方法はいたって簡単、温室や保温している水槽から水合わせをしただけで、屋外の冷え切った水槽に金魚を放棄するだけ。体力が落ちていようが、水温があまりにも低いので、体力をろくに使わない。そのために体力が落ちることは無視してしまう。一切の給餌もなしでひたすら放置するだけ。低温を利用して病原菌のほうが死ぬのを待つだけという極めて消極的な方法だが、これが意外と効く。

 

ただし、低温に強い「原因」だったりするとアウト。この治療中の環境が清浄でないと、冬によくかかる病気を拾うこともある。

 

 

水泡病 パールスケールやピンポンパールなどの金魚で近年報告されている病気。はっきりとした名前がまだ決まっていない。あまりかかることはないようだが致死率が高いという。

松かさのように、鱗に水泡のようなものができてくる。

赤斑ができることもあるので、エロモナスが原因という可能性もある。

塩水浴した上でパラザンなどを使う。

オロナイン軟膏を患部に塗るという療法もあるようだが、ピンポンは試験導入のために飼ったことがあるくらいで、この病気をまだ見たことがないため、当然実験もできていない。

 

拒食 非常に厄介なもので、いくつかの要因がある。本来の食性と違う餌で餌付けようとして起きたり、環境の変化によるショックだったり、薬害だったりと原因は多い。

 

ただし「ハナグロチョウチョウウオが餌を食べてくれません」とかいうのは拒食ではない。本来の餌を与えれば食べるはずだ。これは拒食症じゃなくて、無理に餌付けようとすることに原因がある。

 

あるいは、気づいていないだけで、他の病気を併発している可能性もある。拒食になったからこの項目に飛んできたという場合は、今一度他の項目を読み、当てはまるものがないか見て欲しい。

 

まず拒食への対策は、餌を変える、同居魚を一時的に追い出してストレスをなくす、逆に小さい魚を入れて、警戒心を解くなどあるが、これらの手を尽くしてダメな時は取れる処置が強制給餌くらいしかない。

 

強制給餌をやるには、大前提として対象の魚がある程度大きく、チューブを飲み込めることが必須となる。

 

小さめの注射器を用意し、チューブをつなぐ。このチューブの先端は丸く研いでおく。この中に粉末にした人口飼料を水で溶いたものを詰め空気を抜く。この飼料の濃さはポタージュスープぐらいの濃さにする。

 

さもないとなかなか流れず、余計な力をうっかり入れて、胃を突き破ることすらありうる。

 

注射器を用意したら、いよいよ魚を取り出す。巧く口を開かせチューブを通す。喉の辺りまで入ったら、その後は軽く振るように動かしていくと巧く胃に到達させやすい。

 

到達したと思われたらゆっくりと餌を注射する。少しでも余計な圧を感じたら、止めてしまう。

 

強制給餌の目的はあくまで消化器官を動かして、腸閉塞などの絶望的な事態を防ぐことにある。これで太らせようなど思ってはいけない。こんな方法で太らせるのは鵞鳥だけで充分だ。

 

本来はチューブで栄養を取るなどアバダケダブラやクルーシオのような禁呪に等しい。そりゃあ、大きな手術をしたりした後の健康な人ならいいが、もう胃漏でしか栄養を取れなくなった老人ほど可哀想なものはない。何度塩大福が食べたいと聞いたか、父方の祖母からは何度ポップコーンを食べたいと目で訴えられたことか。

 

人間に使うことでさえ、ほぼ間違いなくこの処置後に健康になれるならともかく、自分は反対している。それよりも危険な強制給餌ならなおさらだ。

 

この方法はいうまでもないが、注射をする人間側に危険な魚でも使わないほうがいい。例えばピラニアの大型個体などは危険極まりない。第一チューブを噛み切ってしまうので給仕どころではない。

 

意外と厄介なのはフグの類で、胃ではなく水を吸い込む袋にチューブを送ってしまうことがある。

 

一応実績を挙げると、トーマン・ゼブラキャット・オレンジキャット・オスカーで成功している。もちろん5cmほどに稚魚でもないし、40cm近いような亜成魚でもない。20cm以下の幼魚でだ。

 

外科手術

いくつか可能なものがあるが、代表的なエラまくれ・鰭の整形術のみを書く。

 

鰓まくれは、多くの魚類の鰓膜がまくれてしまった場合の修正に使う。

ただし、まくれてから年月が過ぎたものは手術しても徒労となることもある。

 

先ず最初に飼育槽を掃除し清潔にする。

これが終わった翌日以降にうまく魚をとりだし、押さえる。

なに、どうせ痛覚がないから麻酔なんて必要ない。どうしても必要なほど力の強いもの、大きな魚の場合は専用の麻酔がある。

ただし、空気呼吸するものにはあまり効かない。

大型のアロワナなど、暴れて手に負えないものは目を濡れタオルで覆ってしまうとあっという間におとなしくなる。

 

いざ押さえつけたら、金魚などなら乳児用の爪切りバサミのような小さなはさみを、大型のアロワナのような固い鰓膜を切るときにはニッパーを使う。

 

間違っても鰓蓋は切ってしまわないように。

 

膜という割には意外と固く、金魚の鰓膜ですら切っていてゴリゴリとした手ごたえがある。

 

作業は可及的速やかに行う。小型魚でもたつくと手の温度で火傷し、大型魚でもたつくと自重で内蔵を傷める。

 

手術が終わったら、速やかに水槽に離し、照明を抑えて落ち着ける。

このときにアクリノールやエルバージュなどを入れて消毒する。

 

術後翌日くらいから餌を与え、ある程度再生するまでは、栄養価の高い餌を与える。

 

このときに栄養の偏り・あるいは少ないことがあるときれいに再生せず手術が徒労になる。

 

鰭の手術は、金魚では土佐錦の桜尾の修正や尾鰭のぶれた芯を抜いてしまう場合。あるいはアロワナなら自切したあとさきに触れたように再生するときの栄養の不足などによってきれいに再生しなかった場合に使う。

 

手順は鰓膜の手術とさして変わりない。

 

 

眼球の手術も書こうかと思ったが、これらに比べるとはるかに難易度が高いのでやめておく。